LG電子が、LGディスプレイの実績悪化の余波で昨年の純利益が前年より90%近く急減したことが分かった。ただし売上は、3年連続で60兆ウォン(約5.6兆円)を超した。
LG電子が30日発表した「2019年営業実績」によれば、昨年の売上高は歴代最高の62兆3062億ウォン(約5.7兆円)で、一年前より1.6%増えた。2017年以後3年連続で売上60兆ウォン突破を継続した。営業利益は前年比9.9%減少した2兆4321億ウォン(約2200億円)、税金などを引いた純利益は、前年同期に比べ87.8%急減した1799億ウォン(約160億円)だ。規模拡大の流れは続いたが、収益性の悪化で株主配当の財源になる純利益は大幅に悪化した。
LG電子がこうした成績表となった原因は、事業部門別実績から明らかになる。規模の拡大と収益性防御の1等功労者は生活家電(H&A)部門だ。この事業部門の昨年の年間売上高は21兆5155億ウォン(約2兆円)で、史上初めて20兆ウォンを超えた。営業利益も1兆9962億ウォン稼ぎだし、営業利益率も9.3%まで上昇した。プレミアム製品の販売拡大とコスト低減の努力が反映されたと会社側は説明した。テレビが主軸のホームエンターテインメント(HE)事業部門は、比較的悪くない実績を出した。
収益性の悪化はスマートフォン部門(モバイルコミュニケーション事業本部)によるところが大きかった。昨年第4四半期(10~12月)にも赤字を出し振るわなかった。昨年第4四半期の売上高は、前年同期より21.2%減少した1兆3千億ウォン(約12百億円)に終わり、営業損失は3322億ウォン(約3百億円)で、前年同期より損失幅が170億ウォン余り拡大した。LG電子は、世界スマートフォン市場でサムスン電子とアップルなど伝統強者はもちろん、華為や小米など中国ブランドの攻勢に押されてここ数年苦戦を続けている。
法人税などを引いた純利益が一年前に比べ90%近く減ったのは、LG電子が持分(37.9%)を保有しているLGディスプレイの実績悪化によるものだ。LGディスプレイは31日に2019年営業実績を発表する予定だ。同社の昨年10月までの累積純損失規模は1兆ウォン(約920億円)余りに達する。