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韓国水力原子力、UAE原発の整備事業権を受注…脱原発の影響なかった

登録:2019-06-25 08:29 修正:2019-06-25 11:55
韓水原・韓電KPSコンソーシアム・斗山重工業 
5年間バラカ1~4号機の維持・補修 
2年以上の交渉の末に契約締結 
 
現地運営法人「ナワエネルギー」 
「パートナー選定は韓国の原発政策とは無関係」
グラフィック=キム・ジヤ//ハンギョレ新聞社

 アラブ首長国連邦(UAE)バラカ原子力発電所1~4号機の整備事業権を、韓国水力原子力など韓国企業が2年以上の交渉の末に獲得した。一部のマスコミと自由韓国党が「脱原発政策のために受注ができない危機にある」と主張した事業だ。事業相手のバラカ現地原発運営法人は「整備パートナー選定の意思決定の過程は、韓国の原発政策とは無関係だ」と発表した。

 産業通商資源部のソン・ユンモ長官と韓国水力原子力のチョン・ジェフン社長は24日、政府世宗庁舎で、韓水原・韓電KPSのコンソーシアムと斗山重工業が、ナワエネルギーと整備サービス供給契約を交わしたと発表した。ナワエネルギーは、アラブ首長国連邦の原子力公社(ENEC)と韓国電力が82対18の持分比率で設立した合弁運営法人だ。韓水原・韓電KPSは経常整備と計画予防整備サービスを提供する長期整備サービス契約(LTMSA)を、斗山重工業は原子炉など主な機器専門の整備サービスを提供する整備サービス契約(MSA)を締結した。

 契約の形態は、2015年の交渉開始当時に韓国側が期待した下請契約ではなく、整備の量に応じて約定した単価が適用されるサービス供給契約に変わった。ナワエネルギーは報道資料で、「アラブ首長国連邦の法律に基づき、連邦原子力規制機関(FANR)から運営許可を受ける当事者であるナワエネルギーが整備に責任を負うという点を明確にした」と説明した。チョン・ジェフン社長も「アラブ首長国連邦(UAE)原子力規制機関が海外原発整備事業の事例を数多く研究した後、整備責任の主体はライセンス・ホルダー(商業運転免許所有企業・ナワ)でなければならないとし、契約形態が変わった」と説明した。韓国ではなく、アラブ首長国連邦がバラカ原発整備の“主導権”と”責任”を負うという説明だ。

 一部では10年の契約が交渉中5年に後退するなど、期待に遠く及ばないという声も上がっているが、韓国政府とアラブ首長国連邦はいずれも10年単位の交渉を進めていると言及したことがない。産業部の関係者は「10年単位の契約が締結されるというのは業界の期待にすぎず、2015年の交渉当時も10年を前提としたことがない」と説明した。

 バラカ原発整備の契約は2年以上の交渉期間中、数回の危機を経験した。2015年にナワと韓電KPSが始めた交渉は、契約条件をめぐる隔たりを埋められず、2017年2月で打ち切られた。ナワは同年6月、随意契約を競争入札に転換し、韓国企業らは英国斗山バブコックや米国アライアンスと競争しなければならなかった。チョン社長は「最初の交渉の際、整備事業権は韓電KPSが持つことになるだろうという自信があったが、アラブ首長国連邦が(自国に有利な)代案を取り出した」と説明した。ソン長官は「整備の受注が不透明になる中、イム・ジョンソクUAE特任外交特補らが全面的に支援し、契約が成立した」と述べた。

 このような事情とは異なり、「脱原発のせいで60年間保障されたバラカ原発独占運営権が崩壊の危機にある」という主張が広がったのは、前政権が交渉の成果を誇張し、“密室”交渉によって不信感が高まったためという指摘が出ている。運営権交渉が初めて一段落した2016年、政府と韓電は報道資料を通じて、「60年間運営権が保障され、売り上げ55兆ウォン(約5兆1千億円)が期待される」と発表した。当時は、運営権の下位契約である運営支援(OSSA)事業は10年単位で締結され、整備契約は締結されていない状態だったことは公開されなかった。

 具体的契約の成果もなく、政府が60年間運営権が保障されたと広報したことをめぐり、チョン社長は「私が(交渉や契約締結を)担当したわけではないが、当時、(政府や韓電が)期待していたことを発表したようだ」と述べた。2009年、李明博(イ・ミョンバク)政権はバラカ原発建設事業を受注するため、アラブ首長国連邦に「有事の際の軍事支援」を約束したことを、キム・テヨン当時国防部長官が昨年1月にマスコミに公開し、議論になったこともある。ナワエネルギーは同日、「整備パートナー選定の意思決定の優先順位は、最高の整備支援の力量を備えた組織を構成することだった」とし、議論にピリオドを打った。

チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/899132.html韓国語原文入力:2019-06-24 21:28
訳H.J

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