サムスン電子の昨年第4四半期(10~12月)の営業利益が10兆8千億ウォン(約1兆500億円)で、前年比30%減少した。LG電子も昨年第4四半期の営業利益が753億ウォン(約73億円)で、前年比79.5%も減少した。どちらも証券界の予想をはるかに下回る“アーニングショック”並の成績表を受け取った。同日発表された昨年11月の経常収支も50億6000万ドルの黒字で、7カ月ぶりの最少値を記録した。全体輸出の20%を占める半導体実績の鈍化が本格化し、投資・輸出などマクロ経済全般に暗い影を落としている。
サムスン電子は8日、昨年第4四半期に売り上げ59兆ウォン(約5兆7千億円)、営業利益10兆8000億ウォンをあげたと暫定実績を公示した。営業利益は2017年第4四半期(15兆1500億ウォン)より28.7%減少し、歴代最高だった昨年第3四半期(17兆5700億ウォン)よりは38.5%も減少した。
サムスン電子の実績は、証券街の予想より30%近く低いものだ。各証券会社はサムスン電子が第4四半期に12.2兆~14.3兆ウォンなど平均13兆4000億ウォン(約1兆3000億円)の営業利益を出すと予想した。サムスン電子の四半期ごとの営業利益が14兆ウォンを下回ったのは、2017年第1四半期以来初めてだ。
サムスン電子は同日、業績悪化が“双頭馬車”である「半導体とスマートフォン事業の実績鈍化のため」だと説明した。特に昨年後半からメモリー半導体を中心とするいわゆる「半導体スーパー好況」が落ち、営業利益が大幅に減った。サムスン電子は2017年第3四半期から半導体事業だけで四半期当たり10兆ウォン以上の営業利益を出し、昨年第3四半期には過去最大の13兆7000億ウォン(約1兆3300億円)の営業利益を上げた。昨年第4四半期はこれより40%近く減少した7兆~8兆ウォンの営業利益を出したものと推算される。四半期当たり2兆~3兆ウォンの営業利益を出してきたスマートフォン事業も、昨年第4四半期の営業利益が1兆ウォン台に落ち込んだものと推算される。サムスン電子は説明資料で「第4四半期の半導体メモリー出荷量が第3四半期に比べ逆成長し、価格下落幅も予想より拡大した」と明らかにした。
LG電子は同日、昨年第4四半期の売上高が15兆7705億ウォン(約1兆5300億円)、営業利益が753億ウォン(約73億円)を記録したと公示した。営業利益が2017年第4四半期(3668億ウォン)より79.5%減少した。証券会社の展望値平均(3981億ウォン)にはるかに及ばない。LG電子の急激な収益性の悪化は、ほとんどがスマートフォン事業を担当するMC事業本部に起因するものとされる。
半導体、スマートフォンなど主力輸出製品の業績悪化は、同日に韓国銀行が発表した「2018年11月国際収支」統計でも確認できる。昨年11月の経常収支の黒字規模は50億6000万ドルで、2017年同月の74億3千万ドルより31.9%も減少した。昨年4月以来7カ月ぶりの最低水準だ。昨年12月の全体輸出額(産業通商資源部集計)は、前年より1.2%減少した。国内輸出の20%ほどを占める半導体業況の鈍化の影響と分析される。韓国銀行は「半導体、石油製品など主力品目の単価が鈍化したうえ、世界の貿易量が減り、これまでの高い増加傾向によるベース効果のため」と説明した。半導体業績の弱体化は、今年上半期まで続くものと見られる。サムスン電子とハイニックスは「今年下半期からメモリー業況の改善でポジティブな実績の流れ」を見込むが、国内外の専門家の間では「下半期の実績改善も安心できない」という見通しが出ている。