
31日、ソウル・汝矣島(ヨイド)の中小企業中央会の大会議室で「大・中小企業両極化問題、その解決方法は何か」という主題のセミナーが開かれた。「大・中小企業両極化解消のためのセミナー」と書かれた横断幕の横には、国務総理室傘下国策研究機関である産業研究院イ・ハング主任研究委員(博士)が用意したパワーポイント(TPP)画面が映し出された。セミナーの日程が予め公示される過程で、前日の30日に研究結果がマスコミに紹介されたこともあり、この日の発表会には約100人の関係者が参加した。
サムスン電子、現代自動車など大企業と協力企業の間で、賃金、雇用水準、営業利益率の格差が激しくなっているとするのが報道された研究結果の要旨だった。ところが産業研究院のこの日のTPPには、サムスン電子や現代車の社名が全く登場しなかった。サムスン電子は「電子1」または「電子A」、LG電子は「電子2」または「電子B」と表記された。現代車は「自動車」としか表記されない。発表資料にも企業名はどこにも登場せず、発表会も匿名で進められた。
産業研究院政策セミナー発表会場
大企業の社名を匿名で処理
産業研究院長が「企業の実名報道に注意」
この研究はイ・ハング主任研究委員が5大主要業種からサムスン電子や現代自動車など8つの代表的な企業を選び、金融危機以後、これらの企業と協力業者の間の賃金、雇用水準、営業利益率などの格差を対照させたものだ。産業研究院は大企業8社と協力業者を合わせ計1160社の事業報告書、監査報告書など、金融監督院の電子公示に公開された資料を基に数年間追跡して分析した。
研究結果、サムスン電子と協力会社の賃金比率は2008年の53.5%水準から2013年の44.7%に格差が広がり、サムスン電子の平均営業利益率が5.7%から13.8%に増加する間、協力企業などはむしろ減少しているのが明らかになった。現代車と協力会社(非系列)間の傾向も似ていて、大企業による成長利益の独占が深刻な状況であることを伺わせる。最近になり賃金所得の拡大と下請け業者の適正価格支給などが社会的話題になっている状況で、大企業にとり負担となる恐れがある研究結果だった。
該当する業種の代表的企業がサムスン電子と現代車であることは誰でも察することができたし、営業利益や賃金などの具体的数値からも、その企業がどこなのか明確に推定することができた。また、研究結果の日程はマスコミに事前公開され、30日付で企業が実名で報道されることもあった。にもかかわらず研究発表会場では企業名が伏せられたまま結果が公開され、続く研究をめぐる専門家たちの討論は実名で進行されることになった。
セミナーに先立ち企業の実名が報道された30日、キム・ドフン産業研究院院長は幹部会の場で「企業を実名で言及することに注意」とする趣旨の発言をしたと伝わる。これに対しキム・ドンス産業研究院企画調整室室長は「特定企業を言及すれば利害関係に抵触する恐れがあるので、特定業者を取り上げて論じるより中立的姿勢で話した方が良いと考える基本的趣旨からの発言だった」と説明した。
この日の討論会に参加したキム・サンジョ漢城大教授(経済改革連帯所長)は「誰もがサムスン電子、現代車と言及して討論する席ですら、研究当事者が匿名で話す態度は、国策研究機関が国民が求める客観的事実を導き出し、現実に適合した政策を出し得ない実態を示している」と指摘した。イ研究委員は発表を終えた結びの発言で「かなり準備をしてきたが、今日発表した内容が曖昧に発表された限界もあると自主的に認めている」と述べた。
韓国語原文入力:2015-03-31 21:06