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韓国のスタッフに日本の俳優…動画配信サービス時代の新しい韓日合作

登録:2023-06-23 06:40 修正:2023-06-23 08:07
イ・ジェハン監督の『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる』 
日本の俳優の山下智久らが出演 
動画配信サービス「プライム・ビデオ」で公開
COCCS提供//ハンギョレ新聞社

 是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』、三池崇史監督の「コネクト」(ディズニープラス)は、日本の監督が韓国の俳優たちとともに作品を作り上げたケースだった。今度は韓国の監督が日本の俳優たちとタッグを組む新しい試みが行われた。「Amazonプライム・ビデオ」で今月9日に公開された映画『SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる(以下SEE HEAR LOVE)』は韓日合作だ。イ・ジェハン監督と撮影監督など主要スタッフは韓国人で、山下智久と新木優子など俳優たちは皆日本人だ。韓国の製作会社COCCSの関係者は「日本では実写物(ドラマや映画)は韓国が得意と思われており、出演に憧れる人が多い」とし、「監督だけでなく韓国スタッフが参加し、韓国の製作能力が影響を及ぼす試みを着実に続けていこうと思う」と語った。

主演俳優の山下智久=COCCS提供//ハンギョレ新聞社

 『SEE HEAR LOVE』は、日本で大きな人気を博したイ・ジェハン監督の『私の頭の中の消しゴム』のように男女の切ない恋が軸となる。目が見えなくなった漫画家の泉本真治と生まれつき耳が聞こえない相田響のラブストーリーだ。厳しい状況に置かれた2人が互いの支えになり、救われていく物語を描いた。

 日本のアイドルグループ「NEWS」出身で、韓国でも「山P」の愛称で親しまれている山下智久が真治役を演じた。山下智久は「視力を失った方々が絶望をどのように乗り越えていくのか、その気持ちを伝えようとした」として「学生時代に『私の頭の中の消しゴム』を見てイ・ジェハン監督のファンになった」と語った。響役の新木優子は「愛の力、誰かを想う気持ちがどれほど力強いのか、どんな潜在力を引き出せるのかを学ばせてもらいながら演じた」と語った。

主演俳優の新木優子=COCCS提供//ハンギョレ新聞社

 『SEE HEAR LOVE』は公開直後、12日連続で日本Amazonプライムでトップに上がり、収録曲もオリコンチャート1位を占めた。公開直後、韓国製作陣の繊細な演出が日本映画特有の感性的な雰囲気をうまく引き出したという評価を受けた。新木優子は「監督に繊細な表情や声のトーンなど細かいところまで見てもらえた」と話した。山下智久は「日本はインサートカット(一連の映像の合間に別の映像を挿入する手法)の場合、小物の撮影はすぐに終えるが、今回は小物一つも主人公だという考えから何度も撮っていた」と語った。

 肖像権などを重要視し、オンライン文化に多少閉鎖的な芸能事務所所属だった山下智久は「(動画配信サービス時代を迎え、全世界の文化が)ますます境界がなくなるという印象を受けている。いろんな国の文化を学びたいし、様々な経験をまず積みたい。文化は枠に過ぎず、その中のものを探求してみたい」とし、他国のスタッフたちと作業する理由について説明した。山下智久は2019年、動画配信サービス「hulu」のオリジナルで、日本とヨーロッパが共同制作したドラマ「THE HEAD」など、さまざまな国の作品に参加してきた。

 この映画はカカオウェブトゥーンで連載された「見えなくても聞こえなくても愛してる」が原作。Amazonプライム・ビデオがサービスされない韓国では、映画館やほかの動画配信サービスを通じて公開される予定だ。

ナム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/1097160.html韓国語原文入力:2023-06-2300 2:43
訳H.J

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