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「K-POPの恐竜」登場、グローバル競争力には期待でも多様性には有害

登録:2023-02-15 05:44 修正:2023-02-15 07:58
HYBEによる「SM買収」光と影
SMエンターテイメントのイ・スマン元総括プロデューサー=SMエンターテイメント提供//ハンギョレ新聞社

 防弾少年団(BTS)の所属会社であるHYBE(ハイブ)が、ライバル企業であるSMエンターテイメントの買収に乗りだし、期待と懸念が交錯している。HYBEがSMを買収することになれば、シナジー効果によってグローバル市場での競争力が高まるだろうという観測が出ているが、K-POPの多様性が脅かされることになりうるという懸念も少なくない。時価総額11兆ウォン(約1兆2000億円)に達する単独企業が音楽産業を主導することになれば、中小芸能事務所の活躍の場が減り、格差がますます広がりかねないという声もある。

 これまでK-POPは、HYBE、SM、JYP、YGエンターテイメントに分かれ、それぞれのカラーやスタイルを持って競争し、着実に成長してきた。だが、HYBEが過去28年間にわたってK-POP市場を切り開いてきたSMを買収することになれば、音楽産業でのHYBEの影響力は絶対的に強くならざるをえない。

 匿名を求めたある音楽業界関係者は「所属会社の企画の方針はアーティストの音楽とスタイルを決めるため、一つのエンターテインメント会社にK-POPを主導するアーティストが多く所属することになれば、どうしても多様性は低下する」とし、「様々な芸能プロダクションが競争する構造ではなく、大型芸能プロが事実上独占する構造は、K-POP全体の発展にはあまり役立たないだろう」と述べた。また、別の関係者は「今でも大型芸能プロの所属でなければアーティストとしてデビューして知名度を上げるのが難しい構造なのに、『ビッグ4』の構造が崩れ、HYBEの規模がよりいっそう大きくなれば、中小芸能事務所やインディーズ音楽界はよりいっそう立場が狭まり、多様性は消えるだろう」と述べた。

 一方では、初期のHYBEやSMのようなエンタメ企業が今後これ以上出てくるのは難しいだろうという見方も出ている。他方では、K-POP市場が特定の会社やアーティストによって思い通りに動かされる段階は過ぎたという点で、大きな影響はないという分析も出ている。ある大型芸能プロの関係者は「HYBEは、これまでソースミュージックやプレディスなどを買収合併してきたが、買収した会社に所属していたアーティストのカラーはそのまま維持してきた」とし、「世界的なK-POPの成長の勢いをみると、むしろHYPEがSMを買収することになれば、世界のエンターテインメント市場を圧倒できる競争力を持つことになるだろう」と述べた。

 ただ、世界の韓流ブームを先導してきたSMが後発走者のHYBEに買収される状況に直面し、SM内部からは混乱の声が出ている。2005年に設立されたHYBEは、1990年代に設立された既存の「ビッグ3」の芸能プロダクションの後発走者として始まったが、BTSの成功によって、韓国はもちろん世界の音楽産業の地図を変えた。業界のある関係者は「K-POP第1世代であるSMの時代が終わるようで、さみしい気持ちになる」とし、「会社内部では、大株主兼総括プロデューサーのイ・スマン氏が持ち株をHYBEに渡したことについて、『極めて私的な利益だけを考えた決定』だとする意見と、『むしろK-POP企業がSMの大株主になるほうがいい』という意見に分かれている」と述べた。

ナム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/1079551.html韓国語原文入力:2023-02-14 02:41
訳M.S

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