本文に移動
全体  > 文化

「犬が本当に求めていることは何なのか」経歴20年のドッグトレーナーの答えは…

登録:2021-06-18 02:23 修正:2021-06-18 13:48
[アニマルピープル]新刊『私は犬です』
20年にわたってドッグトレーナーとして活動してきたイサク愛犬訓練所のイ・チャンジョン所長が、伴侶犬教育のノウハウと哲学を記した著書『私は犬です』を出版した=ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 「自分が犬を飼うのではなく、犬が自分を飼うようになってはいけません」

 生後2カ月のチョコをもらい受けた飼い主は、これまで1日も欠かさず散歩をさせようと涙ぐましい努力を傾けてきた。出張などに行く日には家族に散歩を頼み、帰宅が遅い日には家族の誰か1人は早く帰宅してエサを与えるようにした。家族旅行を計画していても、チョコをホテルに預けたり、知人に頼んだりできず、旅行そのものを取り消したりもした。チョコの飼い主は次第に「やっぱり自分は犬を飼う資格のない人間だ」と思うようになった。

『私は犬です』//ハンギョレ新聞社

 果たしてチョコの飼い主には犬を飼う資格がないのか。15年にわたり「動物農場訓練士」として活躍している動物行動矯正の専門家、イ・チャンジョンさんは、これを「犬が人を飼うケース」として紹介している。毎日必ず散歩をさせてやり、愛犬のために惜しみなく時間と金を投資できる人だけが犬を育てるべき、というわけではないからだ。

 「理想的な基準にばかり執着すると、自分が犬を飼うのではなく、犬が自分を飼う格好になります。それも、愛犬が求めているものが何なのか分からないままに、です」

 犬が本当に望んでいることは一体何なのか。愛犬を理解する方法を改めて省みる本が出版された。著者は20年にわたって数多くの飼い犬の行動を分析し、矯正してきたイサク愛犬訓練所所長のイ・チャンジョンさんだ。これまでのノウハウと哲学を記した初の著書『私は犬です』は、これまでに飼い主が日常で出くわしたであろう些細な疑問、飼い主を不安にさせた犬の問題行動などを、77のテーマに分けて解説している。

 リードを長くすれば犬はより自由になるのだろうか。散歩の時ににおいを嗅げばストレスが解消されるのだろうか。一緒に寝た方がよいのだろうか。それとも別々に寝た方がよいのだろうか。同書はこうした曖昧な問いに共通の一つの基準を提示する。まさに犬の視点から世の中を見るのだ。著者は前書きで「犬を理解するためには、彼らをありのままに見ることができる『目』がなければならない。(中略)重要なのは、自分がしてあげたいことではなく、彼らが必要としていることに気づくことだ」と強調する。

本書は、伴侶犬を育てる基準として犬の視点から世の中を眺めることを勧める=ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 本書は、その方法を4章に分けて記している。第1章「愛犬は誰のために存在するのか」では、犬をどのように見つめればよいのかという彼の長年の苦悩と、その末に出された答えが記されている。第2章は、飼い主が知っておくべき基本的な訓練法を紹介する。排便トレーニングからはじまって寝床トレーニング、散歩や引っ張りっこ遊びまで、きめ細かくまとめてあり、犬を飼うことを希望する人や初めて犬を飼う人が参考にできるようにしている。

 第3章と第4章は、イさんの特技でもある問題行動の矯正とトラウマについて扱う。現場で自ら矯正を行った様々な飼い犬の事例をもとに、飼い主が見逃している問題行動の原因や治癒の方法などを紹介する。

キム・ジスク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/human_animal/999787.html韓国語原文入力:2021-06-17 14:18
訳D.K

関連記事