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韓国、「最も働きたい国」で北欧諸国より上位にランクイン

登録:2021-03-18 06:20 修正:2021-03-18 10:09
「不動の1位」米国からカナダへ首位交代 
韓国、「トップ10」入り逃したが、12ランク上昇の12位に 
「新型コロナの感染率抑制した国を好む傾向が高まる」
新型コロナの世界的な感染拡大以降、「最も働きたい国」の順位に大きな変化が起きた=ピクサーベイ//ハンギョレ新聞社

 これも新型コロナの影響なのだろうか。米国が「最も働きたい国」不動の1位の座から転落した。韓国は「最も働きたい国」の上位には入れなかったものの、12ランク上昇し、トップ10に近づいた。

 国際コンサルティング会社「ボストン・コンサルティング・グループ」(BCG)が最近発表したグローバル人材に関する調査報告書「Decoding Global Talent」によると、カナダが世界の人々が選んだ「最も働きたい国」で、米国を抜いて1位となった。

 同報告書は、カナダが米国と同じ英語圏であるうえ、社会システムは開放的で米国に比べて強力な新型コロナ対応策を打ち出してきたことがが影響を及ぼしたと分析した。米国はトランプ大統領の政権期間中に行った自国優先主義、移民制限政策に続き、昨年コロナ対応に消極的だったのが悪影響を及ぼし、人気度が下がったものとみられると、報告書は指摘した。同報告書は190カ国の20万9千人を対象に実施したアンケート調査の結果を分析したものである。BCGは2014年と2018年に続き、今回3度目の報告書を発表した。

「最も働きたい国は?」(上から1~10位、資料:ボストン・コンサルティング・グループ)//ハンギョレ新聞社

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言語の壁高い韓国の順位上昇、新型コロナ対応の影響か

 報告書は「新型コロナパンデミックが海外勤務に対する態度に大きな影響を及ぼし、新型コロナの感染拡大を抑える政策を積極的に取った国に対する好感度が上がった」と明らかにした。

 韓国は全体順位では12位でトップ10入りは逃したが、2018年の24位、2014年の37位に比べ順位が大幅に上昇した。地域別、職業別の回答分布では、アジア太平洋地域とブルーカラーグループがそれぞれ6位、9位だった。報告書は「これは韓国語という言語の壁を考えると、注目に値する現象であり、回答者らが新型コロナ以降の公衆保健に大きな比重を置いていることを示している」と分析した。

最も働きたい国上位20カ国の感染者数と順位の変動。韓国の順位上昇の幅がマレーシアに続き2番目に大きい//ハンギョレ新聞社

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コロナ禍で海外勤務の人気度は全体的に下落

 実際、「最も働きたい国」上位10位に上がった国は比較的新型コロナの感染率が低い。特に、今回新たにトップ10入りを果たしたシンガポール(8位)とニュージーランド(10位)は、強力な防疫対策で注目を集めた国々だ。一方、初期防疫に失敗した欧州では、かつてトップ10に入っていたイタリア、スペインが姿を消した。ドイツとフランスはトップ10を維持したものの、それぞれ2ランク順位を下げた。

 これと共に、新型コロナの影響で海外勤務の人気も全般的に下がった。海外で働く意思があると答えた回答者の割合は約50%で、2014年の64%、2018年の57%より低かった。特に、アジア圏の回答者の海外勤務への関心は大きく減少した。タイの場合、2014年の95%から今回は46%へと大幅に減少した。

ITおよび技術職経験者らの遠隔海外勤務への関心は67%で、非常に高かった=BCGレポートより//ハンギョレ新聞社

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テレワークが可能なら、米国が依然として首位

 BCGの先任パートナーのレイナー・ストラック氏は「移住制限政策がすでに海外移動性を弱めたのに続き、新型コロナが海外移住に対し慎重な態度を取る新たな要因となった」と述べた。また「多くの人々がテレワークの拡大で海外に直接移動しなくても経歴を積めると考えているようだ」と分析した。

 しかし、海外の企業に就職し、仕事は自国で行うテレワークを前提にした場合は、米国企業の人気は依然として高かった。テレワークで海外の企業に勤務する意向があると答えた割合は57%で、海外で働く意向があると答えた人の割合である50%よりやや高かった。特に、ITとテクノロジー分野で働いた経験がある人の場合は67%とさらに高かった。

最も働きたい都市の順位(資料:資料:ボストン・コンサルティング・グループ)//ハンギョレ新聞社

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最も働きたい都市1位はロンドン…ソウル15位で初のトップ30入り

 米国が最も働きたい国の不動の1位だったなら、最も働きたい都市の1位はロンドンだった。報告書は「これは英連邦というレガシーのおかげ」と指摘した。ロンドンは今回の調査でも、「ブレグジット(欧州連合脱退)」という地政学的不確実性にもかかわらず、首位を守った。

 働きたい都市の順位では、上位10都市のうち、4つを占めたアジア都市の躍進が目立った。特に、中東のハブ、世界最高のスマート都市を夢見るアラブ首長国連邦のドバイとアブダビがそれぞれ3位と5位にランクインした。前の調査時よりそれぞれ3ランク、9ランク上がった。アラブ首長国連邦は、石油経済に備え、2000年以降は先端技術への投資を大幅に拡大している。昨年は中東国家では初めて火星行きの宇宙船を打ち上げ、注目を集めた。東京とシンガポールもそれぞれ4ランク、8ランク上がった6位、7位を占めた。

 以前の調査で30位圏にも入れなかったソウルが15位に入ったのも注目に値する。トップ5だったニューヨークとバルセロナの人気度は8位と9位に下がった。

 特異なのは「最も働きたい国」1位だったカナダの都市のうち「トップ10」に入った都市が一つもないという点だ。カナダで最も人気の高い都市はトロントで、ソウルより1ランク上の14位だった。

クァク・ノピル先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/future/987087.html韓国語原文入力:2021-03-17 20:50
訳H.J

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