長さ74.8センチの過ぎないこの刃物は、韓国と日本の古代史で最も激しい論議を産んだ謎の遺物だ。日本の奈良県天理市の石上神宮に伝わる枝刃がついた百済の刃物「七支刀」がそれだ。この刃物をめぐる論議の焦点は、4~5世紀に百済の皇太子が倭王に贈ったという伝来の経緯を、60字余りの金箔を施した漢字で刻んだ刃身の銘文に集約される。銘文の細部解釈について、南北朝鮮と日本の学界は100年を超えて相反する見解を掲げ対立してきた。年号を4世紀、あるいは5世紀と見るか、百済が倭を目上の国と見て捧げたものか、あるいは目下の国と見て下賜したものか、などの解釈により倭が4~6世紀に朝鮮半島南部を支配したという任那日本府説、百済が日本を諸侯国としていたという説の有力な物証になるためだ。
依然として霧が晴れない七支刀の真実をめぐり、韓国と日本の古代史専門家が始めて一堂に集まり集中討論する学術行事が開催される。東アジア比較文化研究会と漢城(ハンソン)百済博物館の共催で21日午後1時30分からソウル芳夷洞(パンイドン)の漢城百済博物館で開かれる国際学術大会「七支刀の新たな理解」だ。
今回の学術大会の焦点としては、両国の代表的元老古代史研究者であるキム・ヒョング高麗大名誉教授と木村誠・首都大名誉教授の争点討論が挙げられる。長期にわたる論議の的の一つである七支刀の製作年代を主な論題として向かい合って深みのある議論を行うものと期待される。また、七支刀の銘文の年号を中国東晋の年号である太和4年と解釈して、製作年代を百済の近肖古王の時である369年と見なしてきたこれまでの通説に反対する少壮研究者の異見も新たに出され注目を集める。銘文のX線精密判読結果に基づいて中国年号説を否定し、百済の腆支王(チョンジワン)の時である408年製作説を主張してきたホン・ソンファ建国大教授とチョ・ギョンチョル延世大講師らが七支刀の製作年代と製作背景、刃の形態の由来などに対する論考を発表する予定だ。博物館側は「七支刀銘文の解釈にまつわる韓国と日本の歴史学界の観点の差異と、これまで提起された種々の争点をあまねく見回し、今後の研究課題と展望を模索する場になるだろう」と明らかにした。