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[社説]低所得層を崖っぷちに追いやる‘扶養義務者基準’

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/554002.html原文入力:2012/10/02 19:08(1426字)
 昨年保健福祉部が基礎生活保障需給対象から除外した8万4908人のうち、61%にあたる5万1820人が、実際には極貧層なのに扶養家族基準を充足したという理由で外れたという。生活状況は基礎受給者と違うところはないのに扶養家族の所得のためにいきなり生計・住居・医療補助などが切れた人々だ。基礎生活保障制度の‘害をもたらす条項’として批判を受けてきた扶養義務者の基準が低所得層を崖に追い詰めているということが改めて確認されたわけだ  昨年、8万人余りもの大勢が基礎受給者から外されたのは、政府が社会福祉統合管理網(社統網)から受給者を厳しく外し出したのが主因だ。大法院の家族関係記録部、国税庁日雇い勤労者所得内訳、国民年金、失業給付など数百種の電算情報が関連したこのシステムを活用して政府は不正受給者を探し出す。その結果2010年から今年上半期まで2年6ヶ月の間だけで全15万4305人が基礎受給者から除外された。基礎受給者数は2009年の157万人から今年9月の141万人にまで大幅に減った。
 政府のこういう水も漏らさない検証体系は‘法に従って’には符号するかも知れないが、低所得層の現実とはかけ離れたものだ。その代表的なのが、まさに扶養義務者(1親等直系血族とその配偶者)の基準だ。現行制度は扶養義務者所得の一定部分を扶養費とみなして基礎受給者の所得などと共に審査基準にしている。このために慶南(キョンナム)、巨済市(コジェシ)に住むイさん(78)の場合、6月に基礎受給者の確認調査で娘と婿の所得によりみなされた扶養費が最低生計費を6600ウォンほど超えたという理由で資格を失った。イさんは娘夫婦の助けを借りず一人で暮らしてきた境遇をきちんと釈明できず、結局8月に巨済市庁の前で農薬を飲んで命を絶った。
 問題はイさんの例が決して特別でないというところにある。2010年の韓国保健社会研究院の調査資料を見れば、扶養義務者基準のために基礎受給者にあたらない人が103万人に達するが、彼らのなかで70%は扶養義務者から一銭も支援を受けられないでいることが明らかになった。
 基礎生活保障制の趣旨はすべての国民が人間らしい生活をできるように国家が生計・住居・教育・医療などの最低生活を保障しなければならないというものだ。それなのに扶養義務者基準はその責任を個人に回している。 政府と政界は扶養義務者基準をなくし、国家支援を受けることができない‘貧困死角地帯’が増えないようにしなければならない。それでなくても経済事情の悪化で家計負債が増え、生活苦型の犯罪と自殺が急増するなど低所得層の暮しが下落傾向なのに政府が支援対象まで減らすべきだろうか。
原文: 訳T.W