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「1111本の杭」が消え、3本になった軍事境界線……地雷事故は再発する=韓国

登録:2026-10-03 06:22 修正:2026-10-03 09:29
1959年、国連軍司令部の軍事停戦委員会が軍事境界線を視察に訪れた際、北朝鮮軍兵士たちが204番目の軍事境界線杭の前に集まっている=国家記録院提供//ハンギョレ新聞社

 「停戦協定違反は明らかだ。北朝鮮による国境線の要塞化に関連する動きとみている」(29日、国会国防委員会でのカン・シンチョル国防部長官の発言)

 「はっきり言わせてもらうが、わが兵士たちは一度も国境線を越えたことがない」(30日、キム・ヨジョン北朝鮮労働党総務部長の談話)

 21日に西部戦線の非武装地帯(DMZ)で発生した地雷爆発事故をめぐり、南北は「明らかな停戦協定違反」と「ソウルによる自作自演の茶番劇」と互いを非難している。

 韓国は、北朝鮮軍が軍事境界線の南側10メートル地点に地雷を埋めたとして、これを停戦協定違反と断定した。キム・ヨジョン部長は、「自国の土地と他国の土地も区別できない彼らの低能さについて、世間がどう言うかをまず考えてみるべきだ」と述べた。

 南北の主張が食い違う理由は、軍事境界線(MDL)に対する認識が異なるためだ。一部からは、「停戦協定文に添付された地図に軍事境界線が明記されており、最先端のGPSもあるのに、なぜ正確な軍事境界線の位置が分からないのか」という疑問の声もある。

 休戦協定に添付された1:50000の地図に引かれた軍事境界線の幅は、実際の地上では50メートルほどの誤差が生じていた。

 これを受け、停戦協定の追補合意書では正確な軍事境界線の位置を特定するため、計1292本の標識(杭)を設置し、これを基準に結んだ目に見えない仮想の線を軍事境界線と定めた。当時、杭の間隔は200メートル前後だったため、目測でも境界線の確認が可能だったが、現在は杭が181本しか残っておらず、杭の間隔が1~2キロメートルにも及ぶため、杭を基準に境界線を確認することは不可能だ。

2018年12月12日、南北の軍事当局は9・19軍事合意に基づき、試験的に撤収した監視所に対する相互の現場検証を完了した。当時、南北の軍人は、軍事境界線の位置座標が異なっていたため待ち合わせ場所を定められず、黄色い旗を地面に立てた=大統領記録館//ハンギョレ新聞社

 衛星航法装置の座標でも、軍事境界線の位置を確認するのは難しい。韓国軍は米国防総省が開発したGPS衛星航法システムを使用している一方、北朝鮮はロシアの衛星航法システム(GLONASS)を使用しているため、同じ場所であっても座標値が異なって表示されるからだ。

 チョ・ヨングン元国防部北朝鮮政策官は、「2018年の9・19南北軍事合意に基づき、試験的に撤収した南北監視警戒所(GP)の相互現場検証作業を行うため、南北が2018年12月に軍事境界線で会うことになった。しかし、双方の衛星測位システムの座標が異なっていたため、南北が接触する地点を特定できなかった。結局、横3メートル、縦2メートルの黄色い旗を立て、この旗で南北が会う地点を示した」と語った。

 境界の基準点である杭が消えたことで、南北と国連軍司令部はそれぞれ基準線を作り、3つの軍事境界線が存在することになった。

 韓国軍は2004年、米国の国家地理空間情報局(NGA)と共に、停戦協定の原本地図上の軍事境界線を実際の地形と一致させる作業を推進し、軍事地図上の軍事境界線の座標線を独自に定めた。これを2011年に軍事地図に適用し、2014〜2015年に更新した。最前線の部隊では、確認可能な軍事境界線の杭を優先的に適用する一方、大きな岩や河川など目立つ地形・地物を参考に、軍事境界線を地図や状況盤に描き込んで使用している。

カン・シンチョル国防部長官が9月29日、国会国防委員会で非武装地帯の地雷爆発事故に関する現況質疑に出席し、発言に耳を傾けている。右はチン・ヨンスン合同参謀議長/聯合ニュース

 国連軍司令部の軍事停戦委員会は、2014年から2016年にかけて3回にわたり、韓国、米国、英国の地形分析専門家らと共に停戦協定地図に描かれた軍事境界線の位置を分析し、残っている杭を実測して軍事境界線を定めた。2016年5月、国連軍司令部の軍事境界線が確定した。韓国軍はこれを「国連軍司令部参照線」と呼んでいる。

 韓国軍と国連軍司令部の軍事境界線関連の地図は、約60%ほど異なるという。合同参謀本部の関係者は、「韓国軍は『北朝鮮軍が軍事境界線を越えてきた』と言うが、国連軍司令部は『越えてきていない』と言うケースが発生しており、合同参謀本部と国連軍司令部が『我々同士でも線を合わせよう』と呼びかけ協議している」と述べた。

 北朝鮮も独自の軍事境界線を定めている。

 「わが軍の兵士たちは一度も国境線を越えたことはない」というキム・ヨジョン部長の談話は、軍事境界線の北側、自国の領土に地雷を埋めたのだから、停戦協定違反ではないという主張だ。北朝鮮も正確な軍事境界線の位置を特定するのに苦労しているという。合同参謀本部の関係者は、「非武装地帯で作業する北朝鮮軍が軍事境界線を侵犯して警告放送や射撃を行うと、北朝鮮軍が次にやってくる際には必ず地図と双眼鏡を持参して位置を確認し、場合によっては作業位置を変更することがある」と語った。

 地雷爆発事故の再発を防ぐためには、南北が互いに異なる軍事境界線の位置を一致させなければならないと指摘されている。

 チョン・ドンヨン統一部長官は2日、地雷爆発事故に関連し、「根本的な原因は結局、休戦ラインと軍事境界線の(不一致)問題だ」とし、北朝鮮に対しこれを解消するための南北対話を提案した。チョン長官は「少なくとも軍事境界線の位置を改めて確認・確定するための対話を始めるべきだ」と強調した。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/polibar/1280627.html韓国語原文入力:2026-10-02 18:52
訳H.J

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