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休戦ラインに壁を築く北朝鮮…ベルリンの壁みたいに? 警戒用障害物?

登録:2024-06-16 18:50 修正:2024-06-17 06:23
壁の形態の構造物を随所で建設中
6月10日午後、京畿道坡州市の境界地域で、南北の警戒所が臨津江を挟んで向かい合っている/聯合ニュース

 北朝鮮が軍事境界線(MDL、休戦ライン)の随所で障壁の形態の構造物を建設中であることが確認された。

 韓国軍関係者は14日、「北朝鮮が朝鮮半島の西側から東側にかけて、軍事境界線の複数の地点で人力と装備を投入し、障壁とみられる施設物を建設している情況が監視装置に捉えられた」と述べた。この関係者は、北朝鮮軍が建設している施設物の用途について「北朝鮮軍の活動については追加の分析が必要だ」と説明した。

 軍当局は、北朝鮮軍が軍事境界線の主要地点の境界を強化するために障害物を作る可能性と、休戦ライン248キロメートルを東西に結ぶ長い障壁を築く可能性もあるとみているという。

 特に、北朝鮮が今年に入って南北関係から「統一」と「同族」の概念を消し、「敵対的な二つの国家関係」を宣言した後、関係の断絶に乗り出しており、冷戦時のベルリンの壁を連想させる長い障壁を休戦ラインに沿って積み上げ、南北断絶を象徴しようとする可能性もある。現在、軍事境界線には鉄条網や障壁がない。休戦協定によれば、臨津江(イムジンガン)から東海(トンヘ)海岸に至る朝鮮半島の西から東までの間に1292個の杭を打ち、この杭を連結する約248キロメートルの仮想の線が軍事境界線だ。

 軍関係者は「北朝鮮が建設している構造物が主要地点の防護・警戒施設物で終わるのか、軍事境界線全体の障壁につながるのかは工事の進展状況を見て判断しなければならない」とし「休戦ライン全体の障壁を作るには、工事期間が数年かかるだろう」と話した。これと関連して軍関係者は「韓国軍は北朝鮮軍の活動を綿密に追跡・監視しており、確固たる軍事態勢を維持した中で非武装地帯を管轄する国連軍司令部と緊密に協力している」と話した。

 今回捉えられた北朝鮮の動きは、今月9日に北朝鮮軍兵士数十人が軍事境界線を越えてきて韓国軍の警告射撃に退いたこととも関連がある可能性がある。合同参謀本部は9日、北朝鮮軍が道を間違えて軍事境界線を越えてきたと明らかにしたが、当時北朝鮮軍の兵士たちはつるはしやシャベルなどの作業道具を持っていたという。

 1970年代後半、韓国は北朝鮮軍の南侵に備えた対戦車障害物として、軍事境界線以南2キロ地点の南方限界線上の西部・中部戦線に高さ5~6メートル、全長30キロのコンクリートの壁を設置している。1990年代、北朝鮮はこの障壁を「分断の象徴」だとして撤去を要求した。北朝鮮も東西戦線の数カ所に壁状の対戦車防御用陣地を構築したという。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1144948.html韓国語原文入力:2024-06-16 11:58
訳J.S

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