韓国軍将兵3人が重軽傷を負った非武装地帯(DMZ)の地雷爆発事故について、北朝鮮労働党のキム・ヨジョン総務部長が「明らかな自作自演」だとし、軍事的対応の強化の可能性にまで言及したことで、すでに悪化していた南北関係に緊張を高める要因が加わった。南北関係の改善に向けた解決策がさらに困難になる中、専門家たちは節度ある対応を取りつつ、対話の道筋を築いていくべきだと述べた。
キム・ヨジョン部長は30日、北朝鮮官営「朝鮮中央通信」を通じた発表した談話で、北朝鮮軍の地雷を事故の原因と指摘した韓国軍の発表を「ソウルの自作の道化劇」だとし、「挑発」だと主張した。その上で、韓国軍第3軍団第21歩兵師団による「挑発が頻繁に行われている」とし、北朝鮮軍が「戦術的な反撃手段を増強する措置を講じることにした」と述べた。
これに対し、合同参謀本部(合参)のカン・ヒョヌ作戦本部長は同日、事故が北朝鮮軍の地雷によるものであることを明確にすると共に、北朝鮮に「国境線の要塞化」など朝鮮半島の緊張を高める活動を直ちに中止し、謝罪と責任ある措置を講じるよう強く求めた。停戦協定違反の有無を判断する権限を持つ国連軍司令部も、「停戦協定違反が発生した」と判断した。停戦協定第1条第6項は、非武装地帯内におけるいかなる敵対行為も禁止しており、第7項は、国連軍軍事停戦委員会の許可なしに軍事境界線を越えることを禁止している。
この日、軍と国連軍が北朝鮮の停戦協定違反行為を公表したことから、今後の対応が注目される。前日開かれた国会国防委員会で、カン・シンチョル国防部長官は、今回の事件が北朝鮮が埋設した地雷によるものであることを確認し、「相応の措置を講じる」と述べた。韓国軍の対応措置のレベルに注目が集まる中、軍事境界線一帯の警戒及び偵察の強化、北朝鮮軍の越境行為に対する戦術的措置の強化などが取り沙汰されている。
しかし、北朝鮮が爆発事故の責任を全面的に否定したことで、事件解決の糸口を見つけることが難しくなった。
一部では、2015年の北朝鮮「木箱地雷」事件当時、韓国軍の強硬な対応を経て南北高官級接触を行い、北朝鮮から遺憾の意の表明を引き出した事例が挙げられているが、当時の前例を適用すれば大きな危機を招くとの指摘もある。ソウル大学統一平和研究院のチャン・ヨンソク客員研究員は、「2015年の木箱地雷事件当時とは地雷の埋設地点や国際情勢などが変わっているため、当時と同じような対応を取ってはならない」とし、「今回の事案について政府は右往左往することなく強く抗議し、備えを強化すべきだが、物理的な衝突は避けるような節度ある解決策を見出さなければならない」と述べた。
事件の争点となった南北軍事境界線の区分を明確にする必要性も指摘されている。今回の事件は、休戦状態が80年以上続き、南北が認識する軍事境界線が異なっており、衝突のリスクが高まっているという現実を浮き彫りにした。キム・ヨジョン総務部長は、「わが軍の兵士たちは一度も国境線を越えたことはない」とし、要塞化作業についても、「いかなる軍事的目的とも無関係な、徹底した主権行使に過ぎない」と主張した。
国家安保戦略研究院のキム・ソンベ院長は、「北朝鮮が責任を否定しているため、真偽をめぐる攻防が続く可能性が高い」とし、「南北が敵対関係にあっても、北朝鮮の主要な関心事である『境界線の画定』と、我々の関心事である『偶発的な衝突の防止』のためには、国連軍司令部と南北が境界線の画定を含む問題について対話を進める必要がある」と述べた。
チャン・ヨンソク客員研究員も、「北朝鮮が対話に応じる可能性は高くないとしても、衝突防止のための軍事境界線の画定などを議論する対話を提案すべきだ」と強調した。