西部戦線の非武装地帯内の軍事境界線(MDL)近くで起きた地雷爆発事故について、北朝鮮軍の地雷によるものである可能性が高いという合同参謀本部(合参)の中間調査の結果が出たことで、すでに悪化している南北関係に大きな波紋が広がるとみられる。李在明(イ・ジェミョン)大統領が先週の国連総会での演説で終戦協議に向けた南北米中4者対話を提案すると同時に注力している「ペースメーカー」の役割も、重大な試練に直面している。
合参は28日、韓国軍の3人の将兵が重軽傷を負った事故の原因について、「北朝鮮軍の木箱地雷の形状に類似した茶色の『樹脂製(非金属)対歩兵地雷(プラスチック対人地雷)』と推定」するとともに、北朝鮮軍が軍事境界線以南に地雷を埋設したことが最終的に判明した場合、「相応の措置」を講じると述べた。
今回の事故は、北朝鮮が南北関係を「敵対的二国家」と規定して以降、軍事境界線付近で南北断絶措置としての「国境化作業」を継続してきた状況の下で発生した。北朝鮮は2024年から軍事境界線一帯に鉄条網、地雷地帯、戦術道路などを設置する作業を続けてきた。最近では、作業の過程で北朝鮮軍が軍事境界線を繰り返し越えてきてもいる。北朝鮮軍が軍事境界線を越えて埋設した地雷で韓国軍の兵士が負傷したことが最終的に確認された場合、南北が軍事的対峙(たいじ)にまで至る状況が生じている。軍の追加調査では、北朝鮮の地雷が流失したものなのか、軍事境界線を越えて埋設したものなのかを最終的に確認する作業がカギになるとみられる。北朝鮮が責任を認める可能性は低いが、韓国軍と国連軍司令部が確実な証拠を見つけ出すことが重要な課題となっている。
朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2015年8月には、西部戦線の非武装地帯で捜索作戦をおこなっていた陸軍の2人の下士官が、北朝鮮軍の木箱地雷を踏んで脚を失うなどの重傷を負っている。当時、軍は事故発生から約1週間後に、北朝鮮軍が軍事境界線の南へ密かに侵入し地雷を故意に埋設したと結論づけ、その後、南北の軍事的緊張が急激に高まった。
今回の事件は、朝鮮半島の平和共存と対話の復元を掲げる李在明政権の対北朝鮮政策に大きな影響を及ぼすとみられる。李大統領は22日の国連総会での基調演説で、非核化ではなく「核なき朝鮮半島」を目標に掲げ、平和体制を議論する「南北米中4者対話」を提案している。李大統領は米国のトランプ大統領との首脳会談においても、「ピースメーカー・ペースメーカー」として北朝鮮との対話の糸口をつかむために努力することで合意している。しかし、合参の中間発表により、相応する対応は避けられなくなった。政府は、北朝鮮の軍事的威嚇に対して明確な対応原則を示しつつも、南北が軍事的対峙へと突き進まないよう策を練らなければならない状況に置かれている。