北朝鮮が公式の切手目録から除外した統一と南北交流の痕跡に光を当てる展示が、京畿道坡州で開催された。切手に残された対話と和解の記録を保存し、北朝鮮の歴史と文化を理解するための平和教育の場を作るためだ。
坡州市炭縣面のDMZ平和教育院に設けられた朝鮮(北朝鮮)切手博物館は10日に開館し、開館記念展「二つの国家宣言後に消えた切手たち」を公開した。ここからは、臨津江の向こう側の北朝鮮・開城一帯が見える。
博物館側によると、北朝鮮が2023年12月、南北関係は「敵対的な交戦国の関係」だと公表した後の2025年1月に発行した『朝鮮切手目録(1946~2024)』からは、統一や南北首脳会談を記念したもの、独島や朝鮮半島の地図を掲載した切手など、約130種類が除外されたという。「消えた切手」の展示ケースには、独島や朝鮮半島の地図が描かれた切手が並んでいる。
壁面の年表には、金大中(キム・デジュン)元大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記の握手を描いた2000年の南北首脳会談記念切手が紹介されていた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領と金委員長の会談、2018年の板門店宣言を描いた切手もある。
1946年の光復1周年記念切手には、金日成(キム・イルソン)主席の顔の背後に太極旗が描かれている。アン・ジェヨン館長はこの日、取材陣に対し、初期の切手に登場する太極旗とムクゲを指さしながら、「つまり、これ自体が歴史だということです」と語った。発行側が意図していなかった歴史の痕跡までもが切手から読み取れるという説明だ。
展示されている切手は約500種に及ぶ。ガラスケースには、安重根(アン・ジュングン)の肖像や伝統衣装や楽器、食べ物、動植物などを描いた切手がテーマ別に並べられている。軍人やミサイル、主体思想を宣伝する切手も併せて展示されており、北朝鮮が時代ごとに何を記念し、何を強調してきたかを確認することができる。
アン館長は坡州の国境沿いの村、長坡里出身。貿易会社を経営しながら北朝鮮の切手を収集し、切手研究で修士号と博士号を取得した。アン館長はこの日の開館式で、「滅共と反共」を強調する環境で暮らしていたが、40代になって平和問題に関心を持つようになり、学んだことを分かち合おうと平和教育院を設立したと説明した。また、坡州を通り過ぎるだけの観光客が足を止め、地域を深く理解できるよう、博物館を平和教育と連携させていく意向も明らかにした。
アン館長は「切手は発行国の時代を読み解くことができる重要な窓だ」とし、「敵対的な二つの国家の状態が平和的な二つの国家へとつながり、そう遠くない日に一つの統一コリアとなることを願う」と語った。