米国のドナルド・トランプ大統領が北京を訪問した2017年11月、再選に成功した直後の中国の習近平国家主席は、米国との円満な関係を確立し、統治体制を安定させることが急務だった。これに対し、トランプ大統領を「国賓以上の国賓」として、紫禁城をまるごと貸し切って晩餐会を開くなど、皇帝級の待遇で迎えた。半導体・航空機・農産物など2535億ドル(約40兆円)規模の経済協約を結び、「ギフトバッグ」を持たせた。
しかし、9年後となる今月14日にトランプ大統領を迎えた習主席は違った。城を貸し切る「皇帝の儀式」は公園を貸し切る簡素な儀式に変わり、米国に持たせる「ギフトバッグ」も規模を大幅に縮小した。習主席は3期目を超えて終身体制に向かうとの観測が出るほど、権力掌握力を強めたが、トランプ大統領はイラン戦争による物価上昇や世論悪化などが原因で、11月の中間選挙の勝利の見通しは暗い状況にある。元米国外交官のダニエル・ルッセル氏は「今回の訪中の背景は前回とは完全に異なる」とし、「日程は事実上1日に圧縮され、最も基本的な式典だけを残し、簡素化された」と述べた。
米中関係も米国の助けを必要とする協力関係から「競争」関係に変わった。中国は米国に匹敵するほど経済と産業を発展させ、米国は技術制裁とサプライチェーンの分離政策などで中国の追撃を振り切ろうとして、躍起になっている。相互の経済的依存が低下し、今回の会談では、9年前のような大規模な経済協力の約束に対する期待も大きく後退した。
国際危機グループ(ICG)のアリ・ワイン・米中関係シニアアドバイザーは昨年10月、習主席と会ったトランプ大統領が「G2」(主要2カ国)という表現を用いたのを聞き、「米国自らが中国の地位を認めている」とし、「中国がトランプを極上の歓待で迎え、数十億ドル規模の米国製品を購入した2017年の訪問時と比べると、力の力学は変わった」とロイター通信に述べた。ジョージタウン大学のラッシュ・ドーシ教授は、中国の態度変化について、「中国の増大した自信、トランプに対する懐疑論の深まり、現在の関係のぎこちなさを反映している」とAP通信に述べた。