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ロシアと北朝鮮、切迫感が結んだ血盟【寄稿】

登録:2026-05-11 07:53 修正:2026-05-11 09:58
北朝鮮の金正恩国務委員長が先月26日、平壌でロシアのクルスク解放作戦終結1周年を迎えて開かれた「海外軍事作戦戦闘偉勲記念館」の竣工式に参加して演説した。朝鮮中央通信が27日に報じた/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 ロシアがウクライナ戦争で頼れる真の同盟国は一つだけだ。ベラルーシは戦争準備のために領土を提供し、中国は戦争遂行に明らかに寄与できる一部の軍民両用の輸出品を提供した。しかし、ロシア軍と肩を並べて戦うために相当数の兵力を送った国はただ一つ、北朝鮮だけだ。

 現時点で1万人ほどの北朝鮮の戦闘兵がクルスクに駐留しており、これに工兵部隊1000人が加わった。彼らはウクライナによるさらなる侵攻からロシア最西端の都市であるその地を守り、ロシア軍がウクライナ内部の攻撃作戦に専念できるよう支援している。

 今年初め、北朝鮮の指導者金正恩(キム・ジョンウン)は、ロシア・ウクライナ戦争の戦死者の遺族のための新たな住宅地区の竣工式で、テープカットを行った。先日平壌(ピョンヤン)で開かれた戦死者追悼碑の除幕式で、金正恩は「血でしたためたロシアとの新たな友情の歴史」を称賛した。かつて北朝鮮と中国の関係は「唇と歯のように近い」(唇亡歯寒)関係だと賞賛されたが、血はそれ以上に濃い。

 危機の瞬間にロシアが北朝鮮のように貧しく孤立した国に頼らざるを得ないという事実は、多くのことを示唆している。ロシアには別の選択肢があったのだろうか。シリアのバッシャール・アサド政権のようなロシアの同盟国の一部は消え去った。ベネズエラのデルシー・ロドリゲス政権は米国に取り込まれた。他の友好国はロシアの支援を確信できなかったため、提供できるものは多くなかった。たとえば、ロシアは米国・イスラエルと戦争中の同盟国であるイランには、一部の情報といくつかのドローンを提供しただけで、重要な軍事装備や兵力を載せた軍艦は送らなかった。

 ロシアはアルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタンを含むポスト・ソビエトの同盟である集団安全保障条約機構(CSTO)の中心に位置している。同機構には北大西洋条約機構(NATO)の第5条に相当する相互防衛条項がある。しかし、ほとんど何の支援も提供していない。ロシアは2023年、アゼルバイジャンがナゴルノ・カラバフを占領した際にはアルメニアを支援せず、その後、アルメニアは同機構の会議のボイコットを続けている。

 中国のロシア支援は少し複雑だ。エネルギー購入以外にも、中国はロシアの先端技術の需要の最大90%を供給することで支援している。米国と欧州の市場から締め出されたロシアは、ドローン部品、工作機械、バッテリー、光ファイバーシステムなどを中国に依存している。しかし、中国はロシアが戦争の主導権を握るに足る支援はしていない。

 ロシアは北朝鮮と同様に、中国にとって負担になる存在として残っている。北朝鮮が核プログラムとサイバー作戦のために信頼できないとすれば、ロシアは領土拡大のために国際法を覆すという意思を示しているため、信頼できない。中国は安定を望む。西側諸国との良好な関係の維持を求めている。ロシアと北朝鮮の予測不可能な行動は、中国の成長と繁栄に寄与するグローバル・インフラを脅かす。

 これこそが、ロシアと北朝鮮を結束させる要因だ。両国はともに西側、自由主義、そして人権条約であれ海上商取引を規制するルールであれ、自分たちの行動の自由を制限する国際法のすべての側面に嫌悪感を持っている。

 ロシアにおいては、これは比較的新しい姿だ。ウラジーミル・プーチン体制の初期、ロシアは米国と友好的な関係を結ぶことを試み、欧州とも堅固なエネルギー関係を構築した。いまでは西側の制裁のもと、ロシアは北朝鮮にますます似てきている。

 米国のドナルド・トランプは、プーチンと金正恩を好んでいる。しかし、その愛情も、北朝鮮とロシアの経済が苦戦しており、それぞれの個人崇拝体制に亀裂が生じ、ウクライナ戦争が現時点では彼らに有利な方向に向かっていない事実を隠すことはできない。先月、ロシアは2024年以来初めてウクライナに領土を奪われた。

 

 ロシアと北朝鮮がかつてないほど密接になる理由は、選択の余地がないからだ。血の誓いさえ、彼らの同盟が友情ではなく、切迫感から始まったという事実を覆い隠すことはできない。

//ハンギョレ新聞社

ジョン・フェッファー|米外交政策フォーカス所長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1257978.html韓国語原文入力:2026-05-10 18:36
訳M.S

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