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二転三転するトランプ大統領、終戦交渉も脅し…「基本的な事実さえ信頼できない」

登録:2026-04-22 06:29 修正:2026-04-22 07:08
ドナルド・トランプ米大統領が18日、ワシントンのホワイトハウスの執務室で、メンタルヘルス治療について発言している/ロイター・聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領の米・イスラエル対イラン戦争をめぐる「二転三転」するメッセージに対し、米メディアは「基本的な事実に関する発言さえ信頼できない」と疑念を示している。トランプ大統領の「場当たり的な」ソーシャルメディアでの発言が、終戦交渉をさらに困難にしているとの指摘もある。

 先週までは、米国とイラン双方はホルムズ海峡の開放を発表し、終戦合意に近づいているように見えた。ところが、楽観的な見通しが示されていた17日(現地時間)、トランプ大統領は「勝利」を誇示する投稿を行い、メディアのインタビューに応じた。トランプ大統領はトゥルース・ソーシャルへの投稿で、「米国は(イランの)『核の塵(nuclear dust)』(濃縮ウランを指すトランプ流の用語)を引き渡されるようになり、(それに対する)金銭的な代償は発生しないだろう」と記した。また、ブルームバーグ通信のインタビューでは、イランが核計画の「無期限」停止に同意したと主張した。さらに、CBSのインタビューでは、イラン側が「すべてに同意した」とし、濃縮ウランを廃棄すると述べており、アクシオスのインタビューでは「おそらく週末に会談が開かれる」とし、「今後1、2日以内に合意が成立するだろう」と語った。

 イラン当局者は即座にこれを否定した。水面下の交渉がまだ進められているにもかかわらず、トランプ大統領が一方的に「勝利」を宣言したことで、イラン国内では「米国に屈服する姿を見せてはならない」という強硬な世論が高まっている。CNNはホワイトハウス関係者の話として、「イラン側は、トランプ大統領がソーシャルメディアを通じて、イランがまだ同意していない事項や自国民からの支持を得られていない事項を既成事実化したことに不快感を示した」と報じた。第2回停戦交渉は結局、先行きが不透明な状況に陥った。ドーハ大学院のモハマド・エルマスリ教授(メディア学)は、「(イランが17日に)ホルムズ海峡の開放を宣言した時が、緊張緩和と関係改善のための重大なチャンスだったのに、トランプ大統領は勝利を宣言するチャンスとして利用し、イランの降伏を引き出したことを米国民に見せつけようとした」とし、「本当に大誤算だった。今や、イランが2回目の会談のためにパキスタンに現れるかどうか、まだ100%確信できない。おそらく合意には至るだろうが、交渉はさらに困難になるだろう」と指摘した。

 21日現在、交渉再開の方向で進んでいるように見えるが、その間、トランプ大統領が交渉の楽観論からイランのインフラへの爆撃の脅しに至るまで二転三転するメッセージを連発し、大衆の疲労感も高まっている。さらには、誰が交渉に臨むのかといった基本的な事実関係さえ、大統領と行政当局内の官僚たちの発言が食い違っている状況だ。

 19日、トランプ大統領はABCやMSNOWの記者との個別の電話インタビューで、J・D・バンス副大統領が安全上の理由で交渉に参加しないと述べたが、同日、テレビ番組に出演したマイク・ウォルツ国連大使とクリス・ライト・エネルギー省長官は、バンス副大統領が会談を主導すると語った。20日にはトランプ大統領が「バンス副大統領がパキスタンに向かっている」とニューヨーク・ポスト紙に明かしたが、その直後、バンス副大統領の随行車両がホワイトハウスに入る姿が目撃された。ホワイトハウスの実務担当者たちは慌てて、バンス副大統領はまだワシントンにいて、21日に出発予定だと訂正した。

 トランプ大統領自身が明らかにした交渉日程も二転三転した。米FOXビジネスのアンカー、マリア・バティロモ氏は20日午前、ソーシャルメディアへの投稿で、「トランプ大統領が『今夜合意が成立する』と述べた」と書き込んだが、トランプ大統領は同日、ブルームバーグ通信のインタビューでは「21日から交渉だ」と語った。ワシントン・ポスト紙は「トランプ大統領の主張が混乱を招き、側近たちが収拾する様相が繰り返されている」と指摘した。CNNは「忙しくてミスをしたというには、イラン戦争に関連する基本的な問題さえも正しく把握できていない大統領の姿は、この1週間でエスカレートしている」と批判した。

 トランプ大統領は、自身の発言にさえ自ら反論している。トランプ大統領は一週間前には「中間選挙(11月)の頃にはガソリンとガスの価格が横ばいになるか、上がるかもしれない」と述べたが、20日の「ザ・ヒル」紙とのインタビューでは、トランプ政権のエネルギー省のライト長官が「当面、ガソリン価格が3ドルまで下がるのは難しい」と述べたことに対し、「完全に間違っている」と反論したうえで、 「この事態が終わるやいなや」ガソリン価格は下がると述べた。トランプ大統領はこの日、トゥルース・ソーシャルへの投稿で、「ミッドナイト・ハンマー作戦(昨年6月の空爆)の際、イランの核廃棄物埋立地を完全に破壊した」とし、昨年6月にイランの核施設を完全破壊したという主張を繰り返したが、2月28日にイランを空爆したのは、イランが核兵器を製造する直前の段階だったためやむを得なかった、という矛盾した主張を展開している。

 トランプ大統領の二転三転する発言は、交渉の見通しが不透明な状況下で、交渉の有利な立場を確保しようとする戦略だという分析がある。ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は20日、FOXニュースとのインタビューで、「トランプ大統領が長期的な戦略を展開していることを理解できない人は、愚かか、あるいは故意に無知である(ふりをしている)」と述べた。しかし、こうした発言を次々と繰り出すのは、時間に追われるトランプ大統領の焦りの表れという見方もある。これに対しトランプ大統領は「すべてが比較的速く進むだろうが、私は全くプレッシャーを感じていない」とし、「フェイクニュースだ」と反論した。ホワイトハウスのアナ・ケリー報道官はワシントン・ポスト紙に対し、「血に飢えたメディア」がトランプ大統領の「回答に不満を並べている」と語った。

チョン・ユギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1255233.html韓国語原文入力: 2026-04-21 23:30
訳H.J

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