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トランプの「サムスン株」要求説に…韓国政府「事実無根」としたが業界は「対応苦慮」

登録:2025-08-21 20:19 修正:2025-08-22 08:33
ソウルのサムスン電子瑞草社屋/聯合ニュース

 米国のトランプ政権が半導体企業に対する補助金支給の見返りに株の持分を取得する方針を公式化した中で、韓国政府と市場の反応が交錯している。韓国政府はまだ米国側からの具体的要求はないとして慎重な態度だが、業界では今後米国の請求書が突き付けられた場合、企業が果たしてこれを拒否できるのか確信できない様子だ。

 韓国大統領室のカン・ユジョン報道官は21日のブリーフィングで、「米国政府は、半導体法の補助金支援を受けて米国に工場を建てる半導体企業の持分を買収する案を検討中」だというロイター通信の報道について「事実無根」だと明らかにした。カン報道官は「(現在米政府が公式に明らかにしているのは)インテルが受け取った補助金を株式に変えるということ」だとし「韓国企業はまだ補助金を受けていないと聞いており、企業側からも受け取った旨の連絡はないと確認した」と述べた。

 大統領室のキム・ヨンボム政策室長も、前日の記者懇談会で同じ質問が出てくると「初耳であり、該当する企業らも全く知らなかった」と述べた。

 カン報道官はまた「韓米交渉を控えて多様なレバレッジ(テコ)が働く中でうわさが流れたのではないか」とも話した。25日(現地時間)、李在明(イ・ジェミョン)大統領とドナルド・トランプ大統領の初の首脳会談で、韓国の半導体企業の対米投資拡大を引き出すための「圧迫用」ではないかということだ。

 このような韓国政府の慎重論とは別に、サムスン電子などに対するトランプ政権の持分要求が現実のものとなる場合、対応策作りは容易ではないとの観測も出ている。TSMCの本社がある台湾の情報技術(IT)専門メディアであるデジタイムズはこの日、論評を出し「TSMCの独立性が脅かされかねないだけに、米政府の補助金を拒否しなければならない」と提言した。トランプ政府が保有持分を口実に自国の半導体覇権のために企業経営にことあるごとに干渉しうるため、米政府の補助金を最初から受け取らないという意味だ。

 一方、サムスン電子は韓国と米国の工場で行うファウンドリ(半導体受託生産)事業の赤字が年間数兆ウォンに達するため、米政府が約束した補助金(47億4500万ドル、約6兆6000億ウォン)を拒否することは難しい。同メディアは「最近の利益減少でファウンドリ事業が負担になったサムスンは難しい境遇に置かれた」と指摘した。業界関係者も「サムスン電子の場合、主要現金創出源である半導体事業の不振で米政府の補助金を無視できない状況」だとし「大規模な黒字で現金を貯め込んでいるTSMCとは事情が異なる」と話した。

パク・チョンオ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1214514.html韓国語原文入力:2025-08-21 18:00
訳J.S

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