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ソウル西部地裁暴動、極右牧師→ユーチューバー→行動隊員という系統で扇動か

登録:2025-08-07 02:24 修正:2025-08-07 10:03
チョン・グァンフン牧師が、尹錫悦前大統領の弾劾審判の第10回弁論が行われた今年2月20日、ソウル鍾路区の憲法裁判所そばで行われた弾劾反対集会で発言している=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 警察は、ソウル西部地裁暴動事件の背後であるとの疑惑が持たれているサラン第一教会のチョン・グァンフン牧師に対し、2日連続で家宅捜索をおこなった。警察は、チョン牧師と「最側近」、「行動隊員」格のユーチューバーが、チョン牧師を頂点とする指示・命令関係を形成し、暴動を組織的に扇動したとみて、12・3内乱以降、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領支持を標ぼうしてきた主要ユーチューバー全般へと捜査範囲を広げている。

 ソウル警察庁安保捜査隊は6日、サラン第一教会が接見室として使用しているというソウル城北区(ソンブック)の事務所の金庫を確認するため、家宅捜索令状を執行した。この金庫は前日の家宅捜索の過程で発見されていたが、暗証番号が分からなかったため開けられず、警察は令状の発行を改めて受けたという。しかしサラン第一教会側は「あの金庫は新しい金庫で、使ったことがない。何も入っていない」と説明した。

 チョン牧師の西部地裁暴動への介入疑惑ではじまった警察による捜査は、内乱以降、尹前大統領支持を掲げて勢力を拡大した主要ユーチューバー全般へと拡大しつつある。前日に家宅捜索を受けた容疑者の面々を見ても、それがうかがわれる。ユーチューブチャンネル「神の一手」のシン・ヘシク代表、「ソン・サンデTV」のソン・サンデ代表、(アンチフェミニズム性向の市民団体)「男性連帯」のペ・インギュ代表、(保守系団体)「一波万波」のキム・スヨル代表ら、チョン牧師を含め7人が家宅捜索の対象となっている。

 警察は、彼らがチョン牧師を中心とする命令系統を構築し、組織的に西部地裁暴動に加担したとみている。尹前大統領の拘束審査の当日、チョン牧師の指示に従って集会を準備し、拘束令状が発行された時間に合わせて支持者の暴力行動を助長したという。警察は家宅捜索令状に「(チョン牧師は)シン・ヘシクら最側近に対する命令が最終的に(西部地裁に乱入した特任伝道師の)L、Yら『行動隊員』格の人物に伝わるようにする指示・命令下達系統を構築したうえで、裁判所に対する暴力を伴う威力行使を行うようあらかじめ指示・命令していた」と記している。

 実際に、今年1月18日にチョン牧師は光化門(クァンファムン)で、シン代表らは西部地裁前でそれぞれ集会を主導しており、シン代表は舞台上で「チョン・グァンフン牧師が本日、国民抵抗権を発動する」、「本日このように準備したことも、昨夜から秘密裏に準備していたもの」だと述べ、事前の共謀があったことを暗示している。チョン牧師も同日の光化門集会で、「国民抵抗権が完成した」と述べ、集会参加者を西部地裁へと誘導している。西部地裁に乱入した人々の多くが、警察の取り調べなどで「国民抵抗権という言葉を聞いて、裁判所乱入を正当な権利行使だと思った」という趣旨の供述をおこなっている。

 警察は、チョン牧師がシン代表を通じて「右派スピーカー役を果たす複数の中間ユーチューバー」を金銭的に管理していたことも捕捉した。西部地裁乱入で一審で懲役3年を言い渡されたサラン第一教会の特任伝道師、L氏の銀行口座の入金内訳を確認し、昨年12月11日にシン代表がL氏に200万ウォンを入金していたことをつかんだのだ。警察は、この資金がチョン牧師から流れたと疑っている。

 警察は今年4月から彼らの通信内訳を広範に分析し、チョン牧師やシン代表らが密接な関係を形成していたという結論を暫定的に下した。実際に、シン・ヘシク代表の通話内訳の1~25位には、チョン牧師と共に捜査対象となっている側近ユーチューバーが多数含まれている。シン代表はこの日、ハンギョレに「令状の内容はすべて推定だ。事実ではない」と述べた。

チョン・インソン、チャン・ジョンウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1211952.html韓国語原文入力:2025-08-06 18:28
訳D.K

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