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尹前大統領が拘束されたのに「第2の西部地裁暴動」が起きなかったわけは

登録:2025-07-11 06:41 修正:2025-07-11 11:10
尹錫悦前大統領が再拘束された10日未明、ソウル中央地裁周辺に集まっていた支持者たちが、落ち込んだ顔でうつむいている=チェ・ヒョンス記者//ハンギョレ新聞社

 「西部地方裁判所事件のとき、ただ立っていただけの人にも、最近懲役刑が求刑されました。 今日、警察がわざと私たちを興奮させ、挑発して捕まえようとするかもしれないから、今日だけは絶対に警察に飛びかかってはいけません!」

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の拘束令状発行を控え、ソウル瑞草区のソウル中央地裁周辺に集まっていた尹前大統領支持者集会の演壇では、1月の西部地裁の乱闘事態を振り返り、警戒する発言が相次いだ。

 10日午前2時過ぎ、尹前大統領の再拘束のニュースが流れた後、支持者たちは怒号を上げ、悪態を吐いたが、激昂した反応は長続きはしなかった。大半が虚しい表情で椅子に体を沈ませたり、うつむいて涙を流すだけだった。「第2の西部地裁乱入事件」はなかった。

 雰囲気が変わった背景としては、尹前大統領が罷免された後、支持勢力が大きく減った点がまず挙げられる。9日、ソウル中央地裁前の集会には警察推算で最大1千人が集まったが、尹前大統領の最初の拘束令状発付当時は西部地裁周辺に3万人が集まったことと比較すると、30分の1程度だった。拘束令状発行の時点では、150人ほどだけが裁判所の前に集まっていた。

 12・3内乱事態以降、尹前大統領の弾劾に反対し、非常戒厳を正当化するのに先頭に立ってきた保守ユーチューバーたちも、世論の関心が減ると、最近は尹前大統領を言及する代わりに政府・与党批判へと方向を変えた。

 ユーチューブのスーパーチャット順位を見ると、前日「チョン・ハンギル・ニュース」が一時5位に上がったが、先月基準で30位圏内に入ったチャンネルの中で尹前大統領を支持してきたチャンネルは2つに過ぎなかった。今年1月頃は、国内のスーパーチャット1位は「神の一手」(右派ユーチューブチャンネル)であり、30位内のチャンネルの半分近くが尹前大統領を支持するものだった。

 警察と集会参加者に西部地裁乱入事件の「学習効果」が強く働いた。尹前大統領の1回目の拘束令状が発行された今年1月19日未明、暴動を制圧できなかった警察は、今度はソウル中央地裁前に機動隊45部隊(約2700人)を投入し、すべての集会参加者が現場を離れるまで警備態勢を緩めなかった。警察が厳重な警備に乗り出すと、集会参加者たちも互いに(過激な行動を取らないよう)注意する雰囲気だった。

パク・ゴウン、コ・ナリン、チェ・ヒョンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1207322.html韓国語原文入力:2025-07-10 20:35
訳H.J

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