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韓国憲法裁、全員一致で憲法裁判官の指名手続きを停止「代行の指名権は断定できず」

登録:2025-04-17 01:47 修正:2025-04-17 03:20
ハン・ドクス大統領権限代行首相が14日、ソウル三清洞の首相公館で、経済安保戦略タスクフォースの会議を開いている=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 ハン・ドクス大統領権限代行首相がイ・ワンギュ法制処長とソウル高裁のハム・サンフン部長判事を憲法裁判官に指名しようとしたことに対し、憲法裁判所がブレーキをかけた。憲法裁が「違憲要素がある」としてハン権限代行による裁判官の指名手続きを停止させたことで、6月に選出される次の大統領が2人の裁判官を指名する可能性が高まった。

 憲法裁は、「布告令1号憲法訴願」の請求人でもあるキム・ジョンファン弁護士が申し立てた「ハン権限代行による裁判官候補の指名行為」の効力停止仮処分を、裁判官の全員一致で16日に認容した。

 憲法裁は、大統領権限代行に裁判官の指名権があるかどうかが不確実な状況において、ハン権限代行が候補を指名すると、裁判当事者の公正な裁判を受ける権利が侵害される恐れがあると判断した。

 憲法裁は決定文で、「大統領の権限を代行する首相が裁判官を指名し任命する権限を行使できるとは断定できない」として、「裁判官を指名し任命するというハン権限代行の行為によって、申し立て人(キム弁護士)は『憲法と法律の定める資格と手続き』に則って任命された『裁判官』ではない人物によって憲法裁判を受けることになるため、裁判を受ける権利を侵害される恐れがある」と述べた。本案事件である今後の憲法訴願事件で、ハン権限代行による裁判官の指名は違憲だとの決定が下される可能性もあるので、その時までは指名手続きを止めておくべきだ、との趣旨だ。憲法裁は「申し立て人だけでなく、継続中の憲法裁判事件のすべての当事者の裁判を受ける権利が侵害される恐れがある」と強調した。

 さらに、ハン権限代行に裁判官の指名権限はないと最終的に判断される可能性もあるが、「ハン権限代行が候補を裁判官に任命すると、申し立て人が適切な時期に候補者の裁判官としての地位を争ったり、彼らが憲法裁判の審理に関与することを防いだりできるかが不明確」だとして、「申し立て人は回復困難な重大な損害を被る危険性がある」と判断した。憲法裁は「国会が人事聴聞を実施するかどうかなどとは関係なしに、(ハン権限代行が)候補を裁判官に任命しうるため、仮処分の認容によって損害を防止する緊急の必要性も認められる」と補足した。「仮処分を認容した後に終局決定(憲法訴願)で請求が棄却された際に発生する不利益よりも、仮処分を棄却した後に(憲法訴願)請求が認容された際に発生する不利益の方が大きい」というのが憲法裁の結論だ。

 ハン権限代行はこの日、憲法裁による仮処分認容決定を尊重するとの考えを表明した。首相室はこの日、憲法裁の決定言い渡し後の公示で、「憲法裁による仮処分の認容決定について、政府は憲法裁の決定を尊重し、本案の終局決定の宣告を待つ」と述べた。

オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1192791.html韓国語原文入力:2025-04-16 19:59
訳D.K

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