米国のドナルド・トランプ政権が2日(現地時間)、米国に輸入されるすべての韓国製品に関税25%を課すなど、主要貿易相手国57カ国に最大50%の相互関税を賦課すると発表した。その他の国からの輸入品には一律10%の関税が課せられ、計100カ国以上が同日の発表の影響を受けることになる。専門家たちの予想をはるかに上回る措置で、世界の貿易が萎縮し、世界経済に広範囲な打撃を与えるものとみられる。
トランプ米大統領は同日午後、ホワイトハウスのローズガーデンで行った演説で、このような内容の相互関税の適用方針を発表した。主要国別の相互関税率は、韓国25%、中国34%、欧州連合(EU)20%、ベトナム46%、台湾32%、日本24%、インド27%、英国10%など。すべての輸入品に一律10%を課してから(対米貿易で大規模な黒字を記録している)「罪質の悪い」国々にはこれより高い「相互関税」を課す方式だ。この日トランプ大統領が発表場所で掲げたパネルには韓国への関税は25%と書かれており、法的効力がある米国行政命令付属書には26%と書かれていたが、また25%と訂正するなど混乱が生じた。
米国が挙げた相互関税の主な根拠は「非関税障壁」だった。トランプ大統領は米国通商代表部(USTR)が先月31日に発表した国家別貿易障壁年次報告書を見せながら、「金銭的障壁より非金銭的障壁の方が悪い」と述べた。
5日0時1分(米国東部時間。韓国時間で5日午後1時1分)からすべての国からの輸入品に10%の関税、9日0時1分(米国東部時間。韓国時間で9日午後1時1分)からは相互関税が発効される。
一方、米政府は交渉の余地を残している。ホワイトハウスは「今回の措置は貿易赤字と非相互的待遇が解消または緩和されたとトランプ大統領が判断する時まで、引き続き維持される」とし、「貿易相手国が報復措置を取った場合、関税の引き上げもあり得る。(逆に)貿易国が非相互的貿易構造を改善すれば、関税の引き下げも考えられる」と明らかにした。
今回の措置は、すでに別途の関税が課された鉄鋼、アルミニウム、自動車及び部品などには重複適用されない。また、米国内で確保しにくいエネルギー資源と一部鉱物も今回の関税対象から除外される。
ウォール・ストリート・ジャーナルは社説で、「保護貿易主義への復帰であり、米国経済と世界経済に深刻な結果をもたらしかねない決定」だと批判した。コーネル大学の貿易政策専門家のエスワー・プラサド氏はニューヨーク・タイムズ紙に「米国が主導してきたルールに基づいた国際貿易秩序が事実上終焉を迎えた」とし、「米国はルールを直す代わりに、貿易体制そのものを壊すことにした」と評した。
国際金融センターはこの日、米国による相互関税の賦課が世界経済に及ぼす影響を推算し、今年から2028年まで毎年従来の見通しより約0.49ポイント世界経済成長率を低下させるという分析結果を発表した。これは今回の措置で今後3年間で約2400兆ウォン(約241兆7千億円・実質基準)が消えることになったという意味だ。センターは「これは米国の関税賦課だけを前提にした分析値で、中国と欧州などが一律関税だけに対応し、10%の報復関税に乗り出した場合、成長率の下落幅は0.8ポイントまで広がる」と明らかにした。
世界各国は批判した。中国は「国益を守るため、断固たる対応措置を取る」と述べた。EUは対応措置を準備中だと発表し、日本も遺憾を表明した。ハン・ドクス大統領権限代行首相は「影響を受ける業種と企業に対する緊急支援対策を汎政府レベルで早急に用意すべき」と指示するにとどまった。