未来のキッチンと食卓で私たちの料理を手伝ってくれる技術は?
米国ラスベガスで開かれた「CES2024」フードテック分野で注目される技術は気候変化と関連がある。地球が気候危機に見舞われ、エネルギーを節約しながら健康的な食材を手に入れる方法に対する関心が高まったのだ。フードテックとは飲食物と技術の合成語で、食品産業にバイオ・人工知能・モノのインターネット・ロボットのような先端技術が融合された新産業をいう。今回のCESも人工知能(AI)がテーマだっただけに、人工知能がフードテック領域に浸透していた。
近未来「人工子宮」で出産する若い男女を扱った映画『ポッド・ジェネレーション』が描くように、近未来の地球の空気は汚染されているかもしれない。すでに今でも都市に近いところで農作物を栽培すれば、都市から排出される多様な汚染物質などから自由ではない可能性があるという先入観のため、清浄地域で生産した農水産物が高く売られている。
そうした背景から見れば、土や水が痩せたところで野菜を栽培できるエアファームシステムを開発した韓国のスタートアップ「ミッドバル」は注目すべきフードテック企業だった。エアファームシステムは、農作物の根に水と栄養素を直接撒いて培養する技術「エアロポニックス」とモノのインターネット技術を結合した空気注入式スマートファームモジュールをいう。世界初の開発で、今年のCESで最高革新賞を受賞した。水不足国家にとってスマートファームを作れる革新の基礎になるという評価だった。
未来の地球人のためのフードテックもある。韓国のスタートアップであるトップテーブルが作ったインクフォーディ(4D)は、個人オーダーメード型の料理を作れる4次元フードプリンティングシステムだ。人体内で栄養剤が溶ける地点まで設定できるという。今年のCES革新賞を受賞した。
日本のメーカー「テックマジック」が発売した「アイロボ(I-Robo)」もある。忙しい未来人のために自動的に60種類の料理を作るという。テックマジックのブースに置かれていたパンフレットには「料理の品質が維持され、1分で揚げものが提供される」と書かれていた。1時間当たり4.8ドルで60種類の料理ができるという。
肉を焼く人のためのデジタル自動炭グリル機器を披露した「マスタービルト」や、子供たちが好きなアイスクリーム・ポップコーンなどを自動で作るロボットなどを披露した「スイートロボ」も観覧客の関心を集めた。
人工知能基盤のヘルスケアスタートアップである「ドゥイングラボ」は「カロエイ」という製品を紹介した。料理の写真を撮れば人工知能がそれを分析し栄養情報を提供するが、今後は写真の中の料理の栄養情報と食べ物の量も測定し分析する技術を加えた。
ヌビラボも料理をスキャンした後に人工知能を通じて栄養素分析を行う技術を披露するスタートアップだ。昨年に続き、CES2024に2回目の参加をした「ヌビラボ」のマーケティングリーダー、コ・ヨンゴン氏は「フードテックでありヘルスケア、人工知能など融合的領域を開拓しようと思う。子供たちや患者たちがどんな食べ物をよく食べて残すのかを調べるため、保育園や病院でも利用できる」と説明した。
プルムウォンは、米国のスマート自動販売機スタートアップ「ヨーカイエクスプレス」とコラボし、「ロボットシェフ機器」を展示した。腹ペコボックスという名のロボットシェフは、国内初の無人即席調理自動販売機で、冷凍状態の料理製品を注文後すぐに調理し、約90秒で完成する。プルムウォンの米国法人は2022年8月、米国スマート自動販売機スタートアップのヨーカイエクスプレスと協約を締結し、関連事業の独占権を確保した。