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韓国、南北軍事合意を一部効力停止…軍事境界線の偵察・監視再開へ

登録:2023-11-22 10:17 修正:2023-12-07 09:05
北朝鮮は22日、前日夜に発射した軍事偵察衛星1号機「万里景1号」の打ち上げが成功したと明らかにした。朝鮮中央通信はこの日「国家航空宇宙技術総局は2023年11月21日22時42分28秒に平安北道鉄山郡西海衛星発射場から偵察衛星『万里鏡1号』を新型衛星運搬ロケット『千里馬1型』に搭載し、成功裏に発射した」と報じた=平壌/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮が21日夜、軍事偵察衛星を打ち上げたことに対応し、韓国政府は9・19南北軍事合意の一部の効力を停止し、軍事境界線一帯の対北朝鮮偵察・監視活動を復元することを表明した。英国を国賓訪問中の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が現地で開いた緊急国家安全保障会議(NSC)常任委員会でこのように決定し、政府は22日午前、ハン・ドクス首相主宰で臨時国務会議を開き、南北軍事合意の効力停止を審議・議決する予定だ。

 尹大統領は21日(現地時間)、ロンドンからオンラインで国家危機管理センターとつないで緊急NSC常任委を主宰し、合同参謀議長から北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げに関する状況の報告を受けた後、対応策を話し合った。大統領室が明らかにした。尹大統領は「北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げは成功か失敗かにかかわらず、韓国に対する監視偵察能力の強化と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の性能向上にその目的があり、これは北朝鮮の核とミサイルの脅威を実行に移す措置だ」と述べた。

 NSC常任委は別途文書で立場を表明し、「北朝鮮は国際社会の度重なる警告にもかかわらず、軍事偵察衛星の打ち上げを強行した」としたうえで、「このような状況で、9・19軍事合意の制約により韓国の接境地域の安保態勢はさらに脆弱になっている」と明らかにした。さらに「政府は9・19軍事合意の第1条3項の効力を停止し、過去に施行した軍事境界線一帯の対北朝鮮偵察・監視活動を復元する」と明らかにした。

 軍事合意書の第1条3項は、軍事境界線から南北に東部戦線地域では40キロメートル、西部戦線地域では20キロメートルまで固定翼機の飛行を禁止している。回転翼機は軍事境界線から10キロメートル、無人機(ドローン)は東部地域では15キロメートル・西部地域では10キロメートル、気球は25キロメートルの飛行禁止区域を適用する。政府の発表は、この区域での偵察・監視活動を再開するというもの。

 2018年9月19日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領(当時)と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の首脳会談を契機に交わされた軍事合意で、南北は地上と海上、空中をはじめとするすべての空間ですべての敵対行為を全面中止し、緩衝区域を設定した。

 これにより尹大統領はNSC常任委で議論された通り、適法手続きによる対応措置を進めるよう指示した。

 首相室によると、ハン・ドクス首相は22日午前8時、政府ソウル庁舎で9・19軍事合意の一部効力停止を案件とする臨時国務会議を招集・主宰する。9・19軍事合意の効力停止は、国務会議の審議・議決を経て、北朝鮮に通知することで施行される。

 またNSCによると、尹大統領は北朝鮮のさらなる挑発の可能性に徹底的に備え、緊密な韓米日協力と堅固な韓米連合防衛態勢を維持するよう指示した。

 政府は国家安全保障状況によって、9・19軍事合意に対し追加の効力停止を措置する方針だ。NSC常任委は「有効な9・19軍事合意条項に対する追加措置は、北朝鮮の今後の行動によって決められる」と補足した。

 NSC常任委員会には、英国訪問に随行中のチョ・テヨン国家安保室長、パク・チン外交部長官、キム・テヒョNSC事務処長が映像で参加した。国家危機管理センターからは、キム・ヨンホ統一部長官、シン・ウォンシク国防部長官、キム・ギュヒョン国家情報院長、パン・ギソン国務調整室長、イン・ソンファン安保室第2次長、チャン・ホジン外交部第1次官などが出席した。

英国を国賓訪問中の尹錫悦大統領は22日(現地時間)、ロンドンのあるホテルで、北朝鮮の軍事偵察衛星3回目の打ち上げに関する国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開いた/聯合ニュース
ロンドン/ペ・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1117313.html韓国語原文入力:2023-11-22 08:22
訳C.M

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