日本政府は、東京電力福島第一原発の汚染水放出に触発された中国政府による日本産水産物の全面輸入禁止について、世界貿易機関(WTO)、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定などを活用して圧力をかけている。
NHKは5日、「日本政府は日中両国が参加する経済連携の枠組み、RCEP=『地域的な包括的経済連携』の協定に基づき、即時撤廃を求めて討議の要請」を行ったと報道した。NHKは「RCEPでは今回のような措置をとる国に対し、関係国が撤廃を求めて2国間の討議を要請」できると報じた。中国が討議に応じるかどうかは不透明だ。
日本政府は今回の討議要請を通じて、多国間貿易協力の枠組みで輸入禁止の撤廃を迫ると同時に、国際社会に対して汚染水放出の安全性を改めて強調する考えだ。中国主導で発足したRCEPにはASEAN10カ国、韓、中、日、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国が参加している。
日本政府はまた、中国が日本産水産物の輸入禁止をWTOに報告したことを受け、直ちに撤廃を求める反論書面をWTOに提出した。松野博一官房長官は5日の記者会見で「昨日、WTOに中国の主張に反論する書面を提出し、WTOのメンバーに回覧された」と述べた。
中国による水産物輸入禁止は日本に直接的な打撃を与えている。日本農林水産省は、7月に中国に輸出した水産物の総額は昨年同月に比べ23.3%減の77億円だったと発表した。中国への水産物輸出総額が減少したのは2021年1月以来2年6カ月ぶり。中国が7月から日本産水産物に対する放射性物質検査を強化したことが影響を与えた。
日本政府は被害の拡大を受け、207億円(約1865億ウォン)の予備費を追加投入した。既存の800億円の基金を合わせて計1007億円(約9070億ウォン)を消費促進などの水産物被害対策に使う予定だ。