中国の習近平国家主席は、21日(現地時間)から南アフリカ共和国で開かれる第15回BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)首脳会議に出席し、南アフリカを国賓訪問する。3日前の18日、韓米日首脳が米国に集まり軍事・経済協力を強化したことを受け、中国は新興経済国の会合やアフリカ諸国などとの協力強化に活路を見出そうとしているものとみられる。
21日、中国共産党の機関紙「人民日報」などの報道によると、習主席は21~24日に南アフリカで開かれるBRICS首脳会議に出席する。「BRICSとアフリカ」というテーマで開かれる今回の会議は、新型コロナウィルス拡散以降3年ぶりに各国首脳がじかに集まる行事だ。習主席とブラジルのルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領などが参加するが、ウクライナ戦争のさなかにあるロシアのウラジーミル・プーチン大統領は参加しない。
中国はBRICS諸国との協力にとどまらず、アフリカをはじめ中南米諸国との協力も引き上げようとしている。中国官営のグローバル・タイムズは「今回の首脳会議には、BRICS5カ国のほかアフリカ主要国などを含め計69カ国の首脳が参加する予定」だとし「BRICSの範囲拡大が会議の重要な案件になるものとみられる」と伝えた。
中国は米国の圧力に対抗するため、BRICSや開発途上国などとの協力を重視している。このところ中国・インド間の対立が激しくなるなど、BRICSの結束力がやや揺らいでいるが、中国は経済力を土台にBRICSを米国中心の主要7カ国(G7)体制に対抗する巨大組織にしようとしている。BRICS5カ国が世界の国内総生産(GDP)に占める割合は、2001年の8%から現在は26%へと急増している。
最近、BRICSは範囲の拡大も模索している。中東では地域の情勢を左右する「ライバル」であるサウジアラビアとイランが、中南米でもキューバ、ベネズエラ、アルゼンチン、メキシコなどが加盟の意思を明らかにした。BRICSへの加盟には既存の5カ国の満場一致による賛成が必要だが、現在計22カ国が加盟を申請している状態だ。
習主席は今回の南アフリカ訪問期間中、シリル・ラマポーザ南アフリカ大統領とともに中国-アフリカ指導者大会を共同で開く。中国は2017年からアフリカに約100兆ウォンを投資している1位の投資国だ。アフリカ各地に海軍艦隊を送り基地を建設するなど軍事協力も強化している。
そのため、中国のアフリカ内での影響力が急速に強化されている。昨年6月、南アフリカの「イツコウィッツ家族財団」がアフリカ15カ国の18~24才の若者を対象に行なったアンケート調査によれば、中国は影響力部門で77%を占め、アフリカで最も影響力が大きい国とされた。米国は67%で中国に次ぐ2位だった。
米国は最近、韓国と日本を結ぶ韓米日軍事同盟に始動をかける一方、英国とオーストラリアをまとめる安保協定であるオーカス(AUKUS)、日本・インド・オーストラリアと共にするクアッド(QUAD)などを通じて、アジア太平洋地域で中国を圧迫している。中国は韓米日に対して朝中ロの協力強化で迎え撃ち、経済面ではBRICS、安保面では中ロが主導する政治・経済・安保協議体である上海協力機構(SCO)などで対抗している。