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世界ファウンドリ業界、TSMC・サムスン電子・インテルの3強に再編か

登録:2023-06-22 20:40 修正:2023-06-23 06:39
インテルはファウンドリ(半導体委託生産)事業の競争力強化のために事業構造を改編することにした。米カリフォルニア州インテル本社の全景=インテル提供//ハンギョレ新聞社

 米国企業インテルがファウンドリ(半導体委託生産)部門を別事業部として独立させ、自社チップの生産物量を集中的に供給することにした。ファウンドリ事業の強化で半導体業界の状況を変え「王座」を奪還する戦略とみられる。インテルが自社の生産物量をファウンドリ事業部に渡して別売上にするだけでも、サムスン電子ファウンドリ事業部の売上を超えるのではという観測が出ている。TSMCとサムスン電子が主導してきたグローバル・ファウンドリ業界が「3強体制」に再編されるとの見方だ。

 インテルは21日(現地時間)、投資家対象のオンライン説明会を開き、来年第1四半期から「内部ファウンドリモデル」を導入し、ファウンドリ事業の競争力を世界最高水準に引き上げる計画だと明らかにした。インテルの新しい事業構造モデルは、ファウンドリ部門とファブレス(半導体設計)部門を分離し二元化することが中心。ファウンドリ事業部が内部のファブレスから注文を受けチップを生産する構造に変わることで、会計上はインテルが自社生産していた半導体がファウンドリ事業部の売上として捉えられることになる。サムスン電子も2017年からファウンドリを別の事業部として運営し、実績を別に立てている。

 インテルは2021年、「全盛期を再現する」としてファウンドリ事業に参入した。「ウィンテル」という名前でマイクロソフト(MS)と共に1990年代にはパソコン産業を率いる両輪に挙げられたが、その後に到来したモバイル時代ではクアルコムやアーム(ARM)などのファブレス企業に主導権を奪われた。パソコン消費の減少で未来の収益の柱に悩んでいた状況で、米国政府の半導体サプライチェーン拡大政策がインテルに半導体生産への本格的参入をさせた触媒になったという評価が出ている。

ファウンドリ売上上位企業//ハンギョレ新聞社

 ファウンドリ事業進出から3年が過ぎたが、まだインテルの影響力は微々たるものだ。昨年インテルが外部企業から受注したファウンドリ事業の売上は8億ドル水準で、10位圏内にも入っていない。インテルのデビッド・ジンスナー最高財務責任者(CFO)は、「内部物量を含めてファウンドリ事業の売上を推算すれば200億ドル以上になり、最上位のファウンドリ業者になる」と話した。これは昨年のサムスン電子ファウンドリ事業部の売上推算値208億ドルに匹敵する水準だ。インテルは、自社チップの物量のうち80%を自社で生産し、20%を外部メーカーに依存している。

 インテルのジェイソン L・グリーブ企画総括副社長は、チップを自社生産する過程で生じた時間と費用の非効率構造に言及し「ファブレスとファウンドリを分離して生産効率性を上げれば、直ちに最大30億ドル規模のコストを減らすことができる。自社物量基準だけでも業界2位のファウンドリ売上を達成できる」と説明した。

 インテルは半導体の生産能力(CAPA)を強化するため、世界各国に設備投資を拡大している。インテルは18日、イスラエルのキルヤット・ガト地域に250億ドルを投資し半導体工場を建設すると発表した。16日にはポーランドのヴロツワフ地域に46億ドルを投じて半導体後工程ラインを建設する計画だと明らかにした。ドイツのマグデブルクとアイルランドのリークスリップにも先端半導体工場の建設を、フランス・パリやスペイン・バルセロナなどには半導体研究開発(R&D)センターの設立を推進している。

 業界では「インテルのファウンドリ事業の成功を断言するのは早い」という反応も出ている。ファウンドリの技術競争力を備えるには事業期間が短かすぎ、売上に大きな影響を及ぼす主要な顧客会社を確保できるかどうかも不確実だということだ。匿名を要請した韓国のファウンドリ業界関係者は「インテルが強みを持つパソコン・サーバー関連のチップ生産技術とは異なり、モバイル分野まで先端半導体の工程力が備わっているかは定かではない。顧客会社の立場からも危険を甘受して直ちにファウンドリを変更する誘因は少なく、インテルが短期間にファウンドリで成果を出すのは難しいだろう」と述べた。

 このような市場の見通しを反映したかのように、同日インテルの株価は6%下落した32.9ドルで取引を終えた。

オク・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/1097098.html韓国語原文入力:2023-06-22 18:19
訳J.S

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