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[社説]韓米日 2分会談、「中国失踪」が一層明確になった尹錫悦外交=韓国

登録:2023-05-21 19:36 修正:2023-05-22 06:51
G7首脳会議の参観国首脳資格で日本を訪問中の尹錫悦大統領が21日、韓米日首脳会談に先立ち米国のバイデン大統領、日本の岸田文雄首相と歓談している=広島/聯合ニュース

 主要7カ国(G7)首脳会議が開かれた日本の広島で21日、韓国・米国・日本の首脳が再会し、北朝鮮ミサイル警報情報のリアルタイム共有など、3者安保協力などを深めることで合意した。今回の韓米日会談はわずか2分間の短い会談にとどまったが、韓米日一辺倒の外交で中国牽制の最前線に向かう韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の外交方向は、今回の主要7カ国首脳会議への出席により一層明確になった。

 尹大統領とバイデン大統領、岸田文雄首相はこの日、「3カ国の協力を新たな水準に発展」させていくことで合意し、北朝鮮ミサイル警報情報のリアルタイム共有といった3カ国の安保協力、インド太平洋戦略に関する3カ国の協力強化、経済安全保障、太平洋島しょ国への関与などで協力を深めることで一致した。北朝鮮のミサイルに対応するための韓米日の情報共有と軍事協力が進展し続けるとともに、日米が中国牽制を念頭に主導してきたインド太平洋戦略に韓国が深く介入する状況が明らかになっている。

 韓米日首脳会談は昨年7月と11月に続き今回まで、10カ月間に3回も開かれた。ただ、今回の会談はバイデン大統領の国内日程とウクライナのゼレンスキー大統領の突然の広島訪問などでわずか2分間の顔合わせ水準で進められた。この日バイデン大統領が韓日両首脳を招待し、近くワシントンで再び韓米日首脳会談が開かれることになった。

 尹錫悦政権になって韓米日の密着が前例のない速度で進み、米中競争の中で韓国の外交が米国側に過度に傾いている。今回の主要7カ国首脳会議で出た「首脳宣言」は、中国-ロシアを牽制しようとする内容が相当部分を占め、中国に対する依存を減らすために韓国・オーストラリア、新興・開発途上国などを一つにまとめて広範囲なサプライチェーンを構築する構想も含まれている。韓国は加盟国ではないため、共同声明には参加しなかったが、尹大統領は今回の主要7カ国首脳会議で北朝鮮とロシアを「普遍的価値と国際法治に違反した代表的事例」と強く批判し、「価値外交」基調を強調した。21日、ウクライナのゼレンスキー大統領と首脳会談を開き、「地雷除去装備、緊急搬送車両など現在ウクライナに必要な物品を迅速に支援できるよう努力する」と述べたのもこのような脈絡だ。

 安保・サプライチェーン再編などで米日との協力強化は必要だが、尹大統領が過度に韓米日中心の「価値観外交」に外交力を集中し「中国外交」を失踪状態にさせる状況は強く憂慮される。歴代の経済副首相など元経済官僚たちも最近、企画財政部が公開した映像インタビューで「中国に背を向けてはならない」「米国との協力を維持し、中国とも経済関係を活用して柔軟に衝撃を減らすことが必要だ」と述べた。尹大統領は、「韓国の現実を考慮した複合的な外交をしなければならない」という各界各層の苦言にこれ以上背を向けてはならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1092668.html韓国語原文入力:2023-05-21 18:45
訳J.S

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