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「少女像撤去」独カッセル大学学生自治会「大学は右翼の政治的圧力に屈服」

登録:2023-03-15 02:40 修正:2023-03-15 07:51
カッセル大学内の少女像が奇襲撤去された場所=コリア協議会提供//ハンギョレ新聞社

 ドイツのカッセル大学の学生自治会は、大学内に設置していた「平和の少女像」を大学が奇襲撤去したことについて「右翼保守政権(日本)の政治的圧力に屈したとみられる」として糾弾した。

 カッセル大学学生自治会は13日(現地時間)、公式インスタグラムで立場を発表し、その中で「9日早朝に少女像が大学から撤去された。学生自治会は、大学が(日本の)右翼保守政権の政治的圧力に屈したとみられるという事実に驚きを禁じ得ない」と述べた。彼らはまた、「(学生自治会が)少女像の借り手であるにもかかわらず、当日も撤去されることが伝えられず、少女像作品の行方も伝えられていない」とし、「現在に至るも学生自治会に対する大学の公式の通知や命令はない」と語った。学生自治会はさらに「少女像と(少女像を媒介とした)教育活動に専念した学生たちの努力を大学が支持してくれないことに失望している」と付け加えた。

 学生自治会は、自分たちの設置した像に関して「キャンパス内の学生会館のすぐ前にあった平和の少女像は性暴力被害者の追悼碑だ。少女像は抑圧とレッテルに対する闘争を象徴しており、強じんな勇気の象徴でもある」とし「とりわけ第2次世界大戦当時の日本軍による戦争犯罪のひとつである戦時性奴隷制に警鐘を鳴らしている」と強調した。

 ドイツ中部ヘッセン州にあるカッセル大学は9日、学生自治会の主導で昨年7月に大学内に設置された平和の少女像を奇襲撤去した。韓国政府が強制動員賠償判決などの敏感な韓日間の歴史懸案に対して一方的な譲歩案を発表してから3日後のことだった。現地団体であるコリア協議会と韓国の正義記憶連帯は、フランクフルトの日本総領事館が大学側に撤去の圧力をかけ続けてきたと主張している。

 学生自治会の説明によると、大学は今年初め、学生自治会に少女像の撤去を要求してきた。これに対して学生自治会は、少女像を撤去する組織的、財政的資源がないとしてつっぱねた。すると大学は、学生自治会が少女像を撤去しければ大学当局が自ら撤去するとの方針を伝えてきたことが確認された。学生自治会はまた「大学総長団が一方的に2度にわたって指定した一方的な許可期間制限を(撤去要求の)理由としてあげていた。(しかし)カッセル大学学生自治会とコリア協議会との(少女像)永久設置契約は大学が当初の契約成立時から知っていた」と指摘した。

 コリア協議会はカッセル大学の一方的な少女像奇襲撤去を糾弾するため、15日午後に大規模なデモを行う計画だ。

ベルリン/ノ・ジウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1083465.html韓国語原文入力:2023-03-14 08:41
訳D.K

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