クォン・ヨンセ統一部長官が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党総書記兼国務委員長の娘、ジュエさんの4代世襲の可能性について、「後継者とみるにはまだ早い」と述べた。
クォン長官は同日、CBSラジオに出演し、「まず、金正恩の年齢はまだ40歳くらいだ。そして実際には北朝鮮の体制が韓国よりはるかに家父長的な男性中心社会の側面があるのに、これから後継構図を作るとしても、果たしてこの女性(キム・ジュエ)が軍中心の北朝鮮体制をリードできるかという疑問も残る」とし、このように述べた。ただし「とにかく4代まで確実に世襲するという姿勢を見せているのは明らかだ」と付け加えた。
クォン長官のこのような発言は、最近専門家の間でもジュエさんが後継者の座に就くかどうかをめぐり意見が分かれる中で出たもので、注目を集めている。慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は26日、「ソウル平壌ニュース」に送った分析資料で、「キム・ジュエが後継者に内定されたとみるにはまだ極めて根拠が弱い」と主張した。
一方、世宗研究所のチョン・ソンジャン統一戦略研究室長は同日、「キム・ジュエが単に『政治宣伝手段』や『行事のマスコット』に過ぎないなら、金正恩が公式行事で自分が座るべき席に『政治宣伝手段』や『行事のマスコット』を座らせていることを、果たして主要な幹部や住民たちが納得できるだろうか」とイム教授の主張に反論し、公開討論を提案した。
一方、クォン長官は、金総書記の第一子が息子である可能性について、「白頭血統が女性しかいないならば、話が少し違ってくるかもしれない」とし、「(第一子の)存在について推測できる情況はあったが、確認できる程度の内容はない」と説明した。
北朝鮮が18日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15型」を発射したことについては、「『あなたたちが力による平和を追求するならば、引き続き緊張が高まる可能性がある』と警告することで、韓国の世論に影響を与え、それを通じて韓国政府の統一政策をあるいは北朝鮮政策の変更を目指すなど、様々な狙いがある」と分析した。
北朝鮮「火星15型」を正常角度で発射する可能性については、「米国も非常に存在論的な脅威と捉える可能性が高い。日本列島を通過する可能性もあり、日本もおそらく対策を講じるだろう」とし、「様々な可能性に備えることが絶対的に必要だと思う」と述べた。
クォン長官は、北朝鮮の7回目の核実験の可能性も依然として残されているという見解を示した。クォン長官は「北朝鮮は豊渓里(プンゲリ)の3~4番坑道を常に準備の整った状態で維持している」とし、「脅しというよりは実行に移す可能性があるとみて備える態勢が必要だ」と強調した。