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韓国食薬処、「韓国製第1号」新型コロナワクチン承認…今年下半期に供給の見通し

登録:2022-06-30 06:37 修正:2022-06-30 08:09
SKバイオサイエンスの新型コロナウイルス感染症ワクチン「スカイコビワン・マルチ株」=SKバイオサイエンスのホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 韓国食品医薬品安全処(食薬処)が、SKバイオサイエンスが開発した「韓国製第1号」の新型コロナウイルス感染症ワクチン「スカイコビワン(SKY Covione)マルチ株(以下スカイコビワン)」の使用を最終承認する「品目許可」決定を下した。早ければ下半期にも国内外に供給されるものとみられる。

 29日、食薬処は最終点検委員会の会議を経て、臨床試験の最終結果報告書を提出する条件で、スカイコビワンに対する品目許可を決定したと発表した。これに先立ち、同ワクチンは臨床・品質などを審査する食薬処専門家諮問委員会・中央薬剤師審議委員会(中央薬審委)を通過し、今回の最終点検委を経て最終許可された。これにより、韓国は新型コロナワクチンと治療薬(レッキロナ)をいずれも開発した国になった。食薬処は、ワクチンと治療薬の開発技術をいずれも保有している国は米国、英国に続き韓国が3番目だと説明している。

 スカイコビワンは、ノババックス製ワクチンのように遺伝子組換え技術(抗原タンパク質を直接注入して免疫反応を誘導)に基づいて作られた。18歳以上の成人を対象とし、4週間おきに計2回接種する。ファイザー製ワクチンが低温・超低温保管を必要とするのとは異なり、2~8度の冷蔵流通と長期保管が可能だ。

 スカイコビワンの臨床試験は韓国、フィリピン、ウクライナ、タイ、ベトナム、ニュージーランドの6カ国で行われた。これに先立ち、専門家諮問機関の中央薬審委は臨床試験の結果からみて、効能と安全性ともに許可可能な水準だと判断した。同ワクチンは、新型コロナウイルスを無力化して感染を予防できる中和抗体の力価がアストロゼネカ製ワクチンの2.93倍であることが調査で明らかになった。 臨床試験で発生した異常反応を調べた結果、安全性も承認できる水準であることが確認された。食薬処は新型コロナワクチン・治療薬許可審査専門審査チームを構成し、世界保健機関(WHO)ガイドラインおよび米国や欧州の基準を適用して同ワクチンを審査し、許可したと説明した。

 商用化のためには製造と国家出荷承認手続きが残っている。国家出荷承認手続きは、許可を受けた通り製品が作られたかどうかを再検査するもの。疾病管理庁との協議により、今年下半期の国内供給が可能になるものとみられる。同ワクチンを他のワクチン接種者に「ブースターショット」用に交差接種できるかについて、臨床研究が進められている。今年3月、SKバイオサイエンスは同ワクチン1000万回分を国内に供給することを疾病庁と契約した状態だ。

 SKバイオサイエンスは、輸出のために同ワクチンの世界保健機関(WHO)緊急使用リストへの登録を進めている。このリストに登録されれば、国際ワクチン供給網「COVAXファシリティ」を通じて低所得・感染脆弱国などに国産ワクチンを供給できる。また、欧州医薬品庁(EMA)の承認申請も準備している。オ・ユギョン食薬処長は「未来の感染症の流行に先回りして対応できる保健安保体系を構築することになった」とし、「許可を契機に、韓国企業の新型コロナワクチン開発力は国際的にも立証された。今後、グローバルワクチン市場への本格的な進出を期待している」と述べた。

パク・ジュニョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1048974.html韓国語原文入力: 2022-06-30 02:42
訳H.J

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