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ロシアとウクライナ、2回目の交渉開始…ロシア軍、主要都市ヘルソンを初めて制圧

登録:2022-03-04 05:58 修正:2022-03-04 07:35
ウクライナを脱出した子どもたちが今月3日、ポーランド国境地帯のプシェミシルに設けられた避難所に集まっている=プシェミシル/AP・聯合ニュース

 ロシアが侵攻8日目の3日(現地時間)、南部の港町ヘルソンを制圧した。首都キエフ(現地読みキーウ)と第2都市ハリコフ(現地読みハルキウ)ではウクライナ軍がロシア軍を阻止しているが、一寸先も見えない戦況が続いている。速戦即決で戦争を早期終結するのに失敗したロシアが「包囲戦後の総攻勢」に戦術を変えているという分析もある。

 ロシアのウラジ―ミル・プーチン大統領は同日午前、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と電話会談し、ロシアは何としてもウクライナの非武装化と中立化の目標を達成すると述べた。AFP通信などの報道によると、プーチン大統領は、ウクライナが交渉を引き延ばそうとする場合、ウクライナに対する要求事項をさらに増やす方針を示したという。両国は同日午後、ベラルーシ西南部のブレストで2回目の交渉を始めた。

 人口30万の要衝地のヘルソンのイーゴリ・コリハエフ市長は同日、武装した軍人約10人が市役所の建物に入ったとニューヨーク・タイムズに明らかにした。彼は、ウクライナ軍はもう都市にはおらず、住民たちは「市政府に入った武装勢力(ロシア軍)」の指示に従わなければならないと述べた。CNNはロシアがウクライナの主要都市を初めて占領したとし、これを「重要な瞬間」だと報じた。

 2大都市である東部のハリコフでは激しい戦闘が続いている。ロシア軍は都心の市議会、電話局、テレビ塔などを狙って砲撃していると、ロイター通信が住民の話として報道した。ウクライナ大統領の顧問を務めるオレクシー・アレストビッチ氏は第二次世界大戦時のドイツとソ連の間で凄惨な激戦が繰り広げられた戦闘にちなんで「ハリコフが21世紀のスターリングラード」になっていると評した。

 首都キエフでは外郭に構築された長さ64キロメートルに達するロシア軍の戦力が依然として都心に進入せず待機している。米国国防総省のジョン・カービー報道官は2日、ロシア軍が「この24~36時間で注目すべき進展が見られない」とし、その理由として、ウクライナ軍の抵抗や予想外の軍需支援の支障、戦列再整備・再評価を挙げた。米軍は首都を奇襲攻撃して戦争を簡単に終わらせることを目指していたロシア軍が、これからは主要都市を包囲し、物資の供給と脱出路を遮断して抗戦意志を粉砕した後、機甲部隊を動員して一挙に攻撃する恐れがあると懸念している。このような中、ロシア国防省は2日、開戦後初めてロシア兵士498人、ウクライナ兵士2870人が死亡したと、被害規模を明らかにした。ウクライナ国防部はこれに先立ち、ロシア兵士を少なくとも5840人射殺したと主張している。

 国際社会は、ロシアに対する圧迫を続けた。国連は2日、緊急特別総会を開き、ロシアのウクライナ侵攻を糾弾し、即時撤退を要求する内容の決議案を賛成141票、反対5票、棄権35票という圧倒的支持で採択した。ホワイトハウスはロシアの主要産業である石油業界を攻撃するため、石油・天然ガス抽出装置技術に対する輸出を統制する措置を取った。この取り組みが続けば、エネルギー産業でロシアの地位は長期的に低下せざるを得ない。さらに米国のジョー・バイデン大統領はロシア産原油・天然ガスに対する禁輸措置を取るのかという質問に対し、「すべてがテーブルの外には置かれていない」と答え、含みを持たせた。

 戦争の砲火から逃れようとするウクライナ人の脱出行列は続いている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のフィリッポ・グランディ高等弁務官は、開戦後2日までに100万人の難民がポーランドなどの隣国に脱出したと明らかにした。これはウクライナ人口(約4400万人)の2%を超える規模だ。

ファン・ジュンボム記者、ワシントン/イ・ボニョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1033392.html韓国語原文入力:2022-03-04 01:16
訳H.J

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