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「嫌中感情」に乗じた韓国大統領選候補ら、北京「五輪韓服」議論を加熱

登録:2022-02-08 05:22 修正:2022-02-11 08:12
4日午後、中国北京の国立競技場で行われた2022北京冬季五輪の開会式で、チマチョゴリ(韓服)を着てリボンを髪につけた女性が開催国の国旗掲揚のために中国の五星紅旗を運んでいる=北京/聯合ニュース

 2022中国北京冬季五輪の開幕式に登場した「韓服(朝鮮民族の伝統衣装)を着た女性」が、文化の元祖をめぐる議論に移り、与野党の大統領候補も競い合うように中国に向けて激しい反応を示した。中国の歴史歪曲やキムチの元祖の議論などを経て累積した韓国国民の不満が爆発した状況とは別に、選挙を1カ月後に控えた大統領候補たちが反中感情を背景に刺激的な発言をすることに対する批判が出ている。

 与党「共に民主党」のイ・ジェミョン大統領候補は5日、記者団に「中国が、大国としてこうしなければならないのかと納得するには難しい政策を施行している」とし、「祭りの期間を文化工程の期間に利用していないか、中国政府は答えなければならない」と述べた。また、「キムチ、韓服、さらには特定の世界的なスター芸能人がどこの出身なのか、そのような話までするほど、今、文化工程というものが深刻に私たちの自尊心を傷つけている」と語った。

 野党「国民の力」のユン・ソクヨル候補もこの日午後、済州(チェジュ)海軍基地がある江汀村(カンジョンマウル)を訪問し、記者団に「高句麗と渤海は大韓民国の誇らしく輝かしい歴史」であり、「(高句麗と渤海の歴史は)他人のものではない」と述べた。野党「国民の党」のアン・チョルス候補もこの日、フェイスブックに「中国当局に告ぐ。漢服ではなく韓服だ」と書き、中国批判の隊列に合流した。

 しかし、国家の最高指導者を希望する候補としては無責任な反応だという指摘が提起されている。ソウル市立大学のハ・ナムソク教授(中国語文化学科)は6日、本紙の電話インタビューで「『THAAD報復』措置などにより、中国に対する不満が高まり、『韓服』を機に噴出したことは少しは理解できる側面はある。しかし、一国の大統領を夢見る政治家たちが、敏感な外交問題に対する考慮をすることなく、単に票を得るために嫌悪感情にすばやく乗じる態度は正しくない」と指摘した。

「文化をむさぼるな。文化工程反対」と書いたイ・ジェミョン候補(左)と「韓服は大韓民国の文化だ。中国当局に告ぐ。漢服ではなく韓服だ」と書いたアン・チョルス候補(右)のフェイスブックよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 野党「正義党」は「中国の同胞の立場で考えてみよう」という違う声を出した。青年正義党のカン・ミンジン代表はフェイスブックに投稿し、「中国は、韓服が漢服から始まったという形の文化覇権主義と歴史歪曲を必ず中断しなければならない」としながらも、「中国国籍を持ち中国の領土内で生きている私たちの同胞は厳然として存在する。韓服は私たちのものであるだけでなく、同胞たちのものでもある」と主張した。さらに、「政界はいわゆる“朝鮮族嫌悪”を扇動する外国人健康保険の議論を起こさないことから始めなければならない。移民に対する制度的な差別をなくし、同等な市民として待遇するための方法を提示することが、今、大統領候補たちがしなければならないいっそう急がれることだと考える」と強調した。

チェ・ハヤン、イ・ジュヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1029958.html韓国語原文入力:2022-02-07 02:00
訳M.S

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