本文に移動

韓国にも「原子力潜水艦開発」への道開かれるか…米英、豪と原潜で協力(1)

登録:2021-09-23 05:04 修正:2021-09-23 10:26
米国海軍のバージニア級原子力潜水艦「イリノイ」(SSN786)が13日、ハワイの真珠湾に停泊している=米海軍提供/AP・聯合ニュース資料写真

 米国、英国、オーストラリアが15日(現地時間)、3カ国間の安全保障協力体である「AUKUS(オーカス)」を発足させた。最初の構想としてオーストラリアの原子力潜水艦保有支援を挙げていることから、韓国の原子力潜水艦開発構想にどのような影響を及ぼすかに大きな関心が集まっている。

 原子力潜水艦(原潜)の開発は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の大統領選挙での公約だ。文大統領は候補時代の2017年4月に行われた大統領選討論会で「原潜は韓国に必要な時代となっており、そのために韓米原子力協定の改正を議論する」と述べている。

 実際に、文大統領は大統領当選後の同年8月、ドナルド・トランプ米大統領(当時)と電話会談した際に、原潜の開発問題に言及したことが知られているなど、原潜に深い関心を示してきた。昨年7月には大統領府国家安保室のキム・ヒョンジョン第2次長(当時)がメディアとのインタビューで、「次世代潜水艦は核燃料を使うエンジンを搭載した潜水艦」と述べ、原潜推進への意志を示している。

4千トン級潜水艦、「原子力動力」へと向かうか

 原潜の軍事的必要性は、2010年代半ば以降、北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星」を開発していることが確認されたことで、特に強調されるようになった。北朝鮮は2015年5月に「北極星」の初の発射実験、続いて2019年10月には「北極星-3型」の発射実験を行い、昨年10月と今年1月の軍事パレードでは「北極星-4」、「北極星-5」を順次登場させた。

 当時は、北朝鮮が潜水艦を韓国の後方海域に密かに移動させ背後から北極星を発射した場合、なす術なく攻撃される可能性があるとの懸念が高まったことから、原潜を開発して対応すべきだという論理が提示された。韓国軍の原潜を北朝鮮の潜水艦基地近くの深海に密かに移動させて北朝鮮の潜水艦を最初から追跡し、北極星を発射しようとする動きが見られれば発射前に撃沈するということだ。

 国防部が昨年8月に発表した「2021~2025年国防中期計画」では、原潜開発の可能性が示されている。同計画で国防部は、3000トン級以上の潜水艦を9隻開発する「張保皐-3」事業について説明する中で、3000トン級、3600トン級、4000トン級をそれぞれ3隻ずつ順次建造するという計画を明らかにしている。15日に韓国海軍で初めてSLBMの発射実験に成功した「島山安昌浩」号は、この計画によって建造された初の3000トン級潜水艦だ。

 ただし国防部は、3000トン級と3600トン級についてはディーゼル・電気エンジンの在来型の潜水艦として建造されるということを明確にしつつも、4000トン級潜水艦については「現段階で動力方式を語るのは適切ではない」と述べ、余地を残した。ディーゼルまたは電気による動力か、原子力による動力かをあらかじめ決めず、条件を見つつ進めるという意味と解釈される。(2に続く)

パク・ビョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1012228.html韓国語原文入力:2021-09-18 21:32
訳D.K

関連記事