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P4Gソウルサミット、韓国の気候運動家の若者たちは参加を「ボイコット」

登録:2021-05-31 10:22 修正:2021-05-31 11:57
GYCC参加者の活動写真=国家気候環境会議提供//ハンギョレ新聞社

 「私たちは今日の開会式を子どもと青少年、若者たちの声から始めました。未来世代の切迫さにもっと耳を傾けようという意味が込められています。私たちの現在が未来を作ります。(…)当サミットが、未来世代を含む私たちすべてのより安全で持続可能な未来、人類の包容的なグリーンリカバリーとカーボンニュートラルに向けた重要な一歩になることを願っております」

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は30日、「2021グリーン成長とグローバルゴールズ2030のためのパートナーシップ首脳会議(P4Gソウルサミット)」の開会の辞で、未来世代の声に耳を傾けると明らかにした。しかし、今回のP4Gサミットの一般セッションのうち、未来世代セッションの講演者の中には韓国の青少年または青年はいなかった。セッションの主要イベントとして紹介されたGYCC(Global Youth Climate Challenges=グローバルユース気候環境チャレンジ)の活動に参加した若者の中に韓国の若者がいた程度だった。一方、2018年にスウェーデンの気候運動家、グレタ・トゥーンベリさんが毎週金曜日に「学校ストライキ」を始めて以来、国内で一緒に連帯活動をしてきた韓国の青少年・青年気候運動家のほとんどがP4Gサミットの参加を拒否し、会場の外で反対デモに参加した。

未来世代セッション登壇者の中に韓国の青少年・青年はいなかった

 29日午後8時に開かれたP4Gサミットの未来世代による特別セッション「地球の声、地球のための声」に参加したユースパネリストたちは、すべて外国の若者だった。国連事務総長ユース特使のジャヤトマ・ウィクラマナヤケさん、食品ロスを減らすアプリ「Too Good To Go」のCEO、メッテ・リッケさん、第16回国連気候変動ユースカンファレンスのコーディネーター、ジャン・ギレルモさん、「バイバイプラスチックバック・アンド・ユーストピア」設立者のメラティ・ワイゼンさんの4人だ。登壇者のうち韓国の若者は、GYCC諮問委員およびグローバルプロジェクトマネージャーである司会者のユ・ウナさん(33)1人だった。ユさんは韓英国際会議の通訳者として2年のあいだ61カ国157都市を訪問し、持続可能な発電とゴミ問題を経験したと政府は紹介した。

 韓国の若者の参加が全くなかったわけではなかった。パネル討論前にあった「GYCC2021」の活動紹介の時に参加した。GYCCは、大統領直属機関である国家気候環境会議が、気候変動への対応に向けた世界の若者の意見収集のために組織した団体だ。この日の行事では、GYCCに参加した青少年たちが一緒に作成した気候環境の実践内容や、若者たちが提案したプロジェクト遂行の成果、GYCCの討論結果を発表した。政府が発表したGYCC2021の参加者69人のうち、韓国の若者が12人含まれていた。この日の行事ではGYCC参加者の修了式も開かれた。

グローバルユース気候環境チャレンジの参加募集の広告=国家気候環境会議のブログより//ハンギョレ新聞社

 ソウル市長の再・補欠選挙の際、気候危機を最優先に挙げた候補がいないとして、仮想候補の「キム恐竜」を「気候0番」として候補に掲げるなど、街中で政府や企業に対して気候運動を行なってきた青年気候緊急行動のある活動家は、「英語で行う行事なのでGYCCに参加するか悩んだことがある。でも、GYCCは政府が作った一種のサポーターズだ」と説明した。さらにこの活動家は「よく見ると世界の首脳たちの前で英語で発表する行事を準備する活動が主だった。参加した若者たちの関心事は政府や企業を相手に気候対応を要求するよりは、『ゼロウエスト』などの実践部門など、一般的な環境問題だった」とGYCC活動を評価した。

青少年気候行動、青年気候緊急行動、絶滅反乱韓国などは場外デモ

 P4G行事を控え、政府はGYCCに参加していない青少年や青年気候運動家たちにも幅広く行事に参加することを提案した。しかし、青少年と若者たちは断ったという。断った理由は、2030年の国家温室効果ガス目標(NDC)を上げることもせず、国内外の石炭火力発電所の建設を中止もしないなど、「行動しない政府」が主導する会議に参加したくないということだった。青少年気候行動は27日、「不当な目に遭った時にニンジンを振る」というミームを活用し、腐ったニンジンを会場である東大門デザインプラザの前でぶちまけて抗議し、開会式の30日には絶滅反乱韓国、青年気候緊急行動、緑の党などに所属する青年活動家がP4G反対デモを行った。何人かの活動家たちはこの日、会場の中に入ろうとしたが警察がこれを阻止した。反対デモに参加したある青年活動家は、文在寅大統領のP4Gの開会の辞が終わった時刻、移動する政府の業務用車の前に飛び込んで擦り傷を負い、まず治療を受けた後、公務執行妨害の容疑で警察に現行犯で逮捕されるということもあった。

青少年気候行動のメンバーが今月27日午前、P4Gソウルサミットが開かれるソウル中区の東大門デザインプラザ前で、石炭火力発電所建設中止など気候危機への対応を訴え、腐ったニンジン217キロをぶちまけるデモを行っている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

絶滅反乱韓国、絶滅抵抗ソウルのメンバーが今月30日、「P4Gソウルサミット」が開かれるソウル東大門デザインプラザ前で反対デモを行っている=絶滅反乱韓国、絶滅抵抗ソウル提供//ハンギョレ新聞社

 ある青少年気候活動家は「政府は、青少年たちにこの行事に参加して地球を心配する子どもの声を再現するよう求めた。普段は気候政策を要求する青少年や若者の声に関心を持たないくせに、青少年のイメージを消費しようとする政府の姿が今回も繰り返されたもの」と指摘した。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/997293.html韓国語原文入力:2021-05-31 05:44
訳C.M

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