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韓国政府、ソーシャル・ディスタンシング「レベル3」引き上げに向けた細部指針を準備

登録:2020-08-24 09:45 修正:2020-08-24 11:45
新型コロナが拡散している中、ソウル市が市全域でマスクの着用を義務づけた。ソ・ジョンヒョプ・ソウル市長権限代行は23日のブリーフィングで「今日午前0時からマスクの着用を義務付ける」と発表した。この日午後、ソウル光化門交差点で市民たちがマスクをつけて横断歩道を渡っている/聯合ニュース

 韓国政府は今週後半あたりに「ソーシャル・ディスタンシング」レベル3への引き上げを決定するものとみられる。ソーシャル・ディスタンシングのレベル2は19日にまず首都圏で施行され、23日から全国に拡大し施行されている。政府は、レベル2の効果が今週末から現れると判断し、感染病専門家らが主張するように「直ちにレベル3に引き上げ」はしないものの、レベル3への細部指針の準備に入った。レベル3は10人以上の集まりが禁止されるなど、事実上封鎖と変わらない措置だ。

 「レベル3への引き上げ」を決定する時期について、政府関係者は23日、「1週間」という期限を提示した。同日の定例ブリーフィングで中央防疫対策本部(防対本)のチョン・ウンギョン本部長は「レベル2を適用した影響が現れるには、少なくとも1週間以上の時間がかかるのではないかと判断する」とし「直ちにレベル3に進めるべきだという専門家の指摘があるが、国民や社会でレベル3を準備するのにある程度物理的な時間が必要だ」と述べた。中央事故収拾本部(中収本)のユン・テホ防疫総括班長も「今週中に現在の拡散傾向が収まらないなら、防疫当局としてレベル3への引き上げまで検討するしかない非常に厳しい状況だ。今週1週間が最大のヤマ場になる」と明らかにした。

 中央政府が「防疫強化」に躊躇している間、ソウル市は先制措置の施行に乗り出した。24日午前0時から、ソウル市民は室内をはじめ大勢の人が集まる屋外でも、食事をする時を除きマスクを着用しなければならない。これに先立ち、京畿道、釜山市(プサンシ)などもマスクの着用を義務付けた。ソウル市はまた、出入者名簿作成やマスク着用などの防疫規則を一度でも違反した事実が摘発された場合、大衆利用施設に2週間集合禁止命令を下すことにした。これまでは違反の事実を是正するよう行政指導だけを行ってきた。300人未満の塾や宗教施設、室内結婚式場、映画館、銭湯、葬儀場など5万8353カ所が該当する。

 政府は1週間見守るとして慎重な態度を示したが、レベル3への引き上げに備えて、各省庁別に細部指針をまとめる作業に入った。防疫指標から見て、レベル3への引き上げが目前に迫っているためだ。ここ2週間(9~22日)に韓国国内で発生した1日の平均新規感染者数は162.1人で、前の2週間(12人)に比べて13倍以上増加した。これはレベル3への引き上げの基準の一つである新規感染者平均100~200人以上に該当する。特にここ1週間(16~22日)は、1日の平均新規感染者は268.4人に上る。中収本のソン・ヨンレ戦略企画班長は「レベル3に入れば、公共部門では全体人員の50%以上が在宅勤務を実施し、同様の基準を民間企業に勧告する案などを検討している」と述べた。

 首都圏地域だけをレベル3に上方修正するか、それとも全国を同時に引き上げるかをめぐっても、政府は頭を悩ませている。中収本のユン・テホ防疫総括班長は「レベル3はすべての日常活動の停止を意味し、国民経済活動全体に致命的で苦しい影響を与える」とし「長期間はできない封鎖に近い措置であるため、短期間で引き上げ効果を得られるよう準備している」と説明した。レベル3が施行されれば、10人以上の集まりが禁止され、登校授業やスポーツ競技などが中止される。飲食店や必須産業施設は夜9時までの営業となる。医療・経済分野の専門家らで構成された生活防疫委員会でも、25日に関連の議論が行われる予定だ。

 一方、教育部は今月22日、全国の市・道教育庁の副教育監とテレビ会議を開き、レベル2のソーシャル・ディスタンシングによる学年別登校指針を26日から施行することに決めた。

ファン・イェラン、ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/959032.html韓国語原文入力:2020-08-24 07:17
訳C.M

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