1年以上保育園で働いているAさんは、一度も「有給休暇」を使わなかった。個人的な事情で園長に休暇を申請したが、院長は「私を脅しているのか」と言ってきた。5人未満の事業所で働くAさんには保障された年次有給休暇がない。有給休暇を使わなくても手当てさえ出ない。365日24時間働いても法的に問題がないほどだ。
青年ユニオンは12日、ソウル鍾路区プルン歴史アカデミーで「5人未満の事業所は12月46日まで働かなければならない」と題する事例発表会を開き、5人未満の事業所の労働環境の劣悪さを訴え、改善を求めた。
青年ユニオンが収集した121件の事例は大きく分けて、有給休暇使用不可▽加算手当の未払い▽不当解雇となる。特に有給休暇問題は深刻だった。5人以上の事業所の場合、労働者が直近の年間勤務日数の80%以上勤務していれば、翌年には15日の年次有給休暇を与えることが義務となっているが、5人未満の事業所はその義務がない。このため青年ユニオンは「5人未満の事業所で働く労働者は、休めなかった有給休暇15日を加えて、事実上『12月46日』まで働いていることになる」と指摘した。
手当ての未払いや解雇問題も深刻だ。青年ユニオンは「夜間勤務を含めて1週間に55時間働いたが、全く手当てを受け取れなかったケースもあった。また、事前予告なしに解雇しても、30日分の賃金を払いさえすれば法的処罰を免れることができ、『カカオトーク解雇』が多い」と話した。また5人未満の事業所の場合、有害または危険な環境であっても妊娠中の女性や未成年の雇用が可能で、7月に施行された「職場内いじめ禁止法」も適用されないなど、様々な形で法の死角地帯となっている。労働基準法はやはり5人未満の労働者を使用する事業所には施行令によって一部の規定のみが適用される。
青年ユニオンは「9月に発表された雇用労働部の調査結果によると、最近1年間で3回以上の労働関係法違反が確認された事業所2300社あまりのうち、5人未満の事業所の割合は41.8%だった。5人未満の事業所で働く労働者は358万人で全体の5分の1ほどであり、このうち青年労働者だけで131万人だ。労働法の死角地帯が広範囲に発生しているわけだ」と述べた。このように差別的な処遇が可能なのは、1999年の憲法裁判所の決定のためだ。当時の憲法裁は、零細事業所の劣悪な現実と国による労働監督能力の限界を考慮すべきとし、「4人以下の事業所に対して労働基準法の適用を除外したのは平等権などに違反しない」と決定した。
青年ユニオンのチャン・ジヘ企画チーム長は「韓国のように5人未満の事業所を一括して1つの分類とし、労働権を制限している例は、他の国では見つけることができなかった。政府は意志さえあれば、直ちに施行令を改正し、5人未満の事業所で働く労働者の権利を保護することができる」と述べた。青年ユニオンは、法改正運動とともに憲法裁での違憲訴訟を検討している。