北朝鮮は13日、韓米合同軍事演習が朝鮮半島と地域の情勢が激化しかねないとし、米国が「軽率な行動」を慎まない場合は、「新しい道」を行くと警告した。15日にソウルで開かれる韓米安保協議会議(SCM)を控え、韓米合同軍事演習の中止を強く求めたものとみられる。
北朝鮮国務委員会は同日発表した報道官談話で、「米国と南朝鮮(韓国)が計画している合同軍事演習が、朝鮮半島と地域の情勢を避けられないほど激化させる主な要因」だとし、「朝鮮半島情勢が再び原点に戻る可能性のある敏感な時期に、米国は自重し、軽率な行動を慎んだ方が良いだろう」と述べた。
北朝鮮が金正恩(キム・ジョンウン)政権発足後の2016年に設立した最高指導機関の国務委員会報道官名義で談話を発表したのは初めてだ。韓国の大統領府報道官談話にあたる形式で、米国に向けて発表してきた外務省報道官や当局者談話に比べて格上げされたものだ。事実上、金正恩委員長の情勢認識を盛り込んでおり、北朝鮮が今回の韓米合同軍事演習を深刻に捉えていることを強調したものと言える。
同談話は、特に今年3月と8月にそれぞれ行われた韓米合同訓練の「19-1同盟」演習と戦時作戦統制権の基本運用能力(IOC)検証などを「相手の善意をあだで返す裏切り行為」だとし規定した。そして、「朝米関係の運命が破綻の危機に瀕した危険な状況で、再び対話の相手である我が共和国を標的にして合同空中訓練まで強行し、事態の発展を悪化の一途に追い込んだ米国の分別のない行動に対して、これ以上手をこまねいてばかりはいられないというのが、我々の公式な立場だ」と言い切った。
同談話はさらに「私たちがやむを得ず選択するかもしれない“新しい道”が “米国の将来”にいかなる影響を及ぼすかについて深く考えなればならない」としたうえで、「今のような情勢の流れを変えない場合は、米国は遠からずより大きな脅威に直面し、苦しみながらも自らの失策を認めざるを得なくなるだろう」と警告した。また、「米国は残り少ない時間の間、何ができるかについて熟考しなければならない」と述べ、北朝鮮が米国に提示した「年末期限」を繰り返し強調した。