韓国政府と在韓国連軍司令部が、非軍事的目的の非武装地帯(DMZ)への出入りに対する国連軍司令部の許可問題を協議していることが、22日に明らかになった。国連軍司令部が南北交流など非軍事的目的の出入りまで認めないのは、停戦協定上の根拠が乏しく、制度的補完が必要だという指摘によるものとみられる。
国防部のチェ・ヒョンス報道官は同日のブリーフィングで、「(非武装地帯に)出入りする事案については、事案別に、またチャンネル別に実務者から高官級に至るまで緊密に協議している」とし、「今後も緊密に協議する」と述べた。高官級協議には国防部の国防政策室長と国連軍司令部副司令官が出席したという。両者は先月中旬に会い、非武装地帯の出入りなどを話し合うための高官級協議体を構成する案について意見を交換したという。
政府はひとまず、このような協議を通じて、非軍事的目的の非武装地帯への出入りと関連した規定を制度化することに焦点を合わせるものとみられる。協議の過程で、統一部などの関連省庁も参加するものと予想される。統一部当局者は同日、記者団に「(非武装地帯の出入り問題を)制度化することに重点を置く」とし、「制度や規定、マニュアルに反映される基準や手続きなどを検討していく」と説明した。
国連軍司令部は協議過程で安全問題などを挙げ、非軍事的目的であっても非武装地帯への出入りを許可することに難色を示したという。特に、非武装地帯の軍事境界線を通過して北朝鮮に入る場合、搬入物品の対北朝鮮制裁違反を懸念しているという。キム・ヨンチョル統一部長官も前日の国会外交統一委員会国政監査で、「非武装地帯への出入りと軍事境界線の通過に関し、(政府と国連軍司令部の間に)意見の相違があった」と述べた。
国連軍司令部が非武装地帯への出入りを統制するのは停戦協定に基づいている。停戦協定は「民事行政及び救済事業の執行に係わる人員と、軍事停戦委員会の特定の許可を得て入る人員を除いては、いかなる軍人や民間人も非武装地帯に入ることを許可しない。非武装地帯の軍事境界線以南の部分における民事行政および救済事業は、国連軍司令官が責任を負う」と規定している。しかし、停戦協定は「この条件と規定の意図は、純粋に軍事的性質に属する」としており、“非軍事的性質”の出入りについては、国連軍司令部が許可を拒む根拠が足りないとの指摘もある。