本文に移動

南北、漢江河口の共同調査へ…全国に吹く平和の風

登録:2018-11-06 05:32 修正:2018-11-06 08:04
南北が5日、共同調査に乗り出した漢江河口の中立水域の様子。京畿道金浦市から2キロメートルほど離れた川の向こうの北朝鮮開豊郡が近く見える=パク・ギョンマン記者//ハンギョレ新聞社

 南北が1953年の停戦協定以来65年ぶりに初めて漢江(ハンガン)と臨津江(イムジンガン)河口の共同利用のための調査に着手した。南北関係の改善に伴い、京畿道や江原道の接境地域から済州(チェジュ)まで平和の風が吹いている。

 海洋水産部と国防部は「板門店宣言履行のための9・19軍事分野合意書」に基づき、漢江河口の共同利用水域に対する南北共同水路調査を5日から始めたと発表した。共同利用水域は、南側では金浦半島の東北端から喬桐島(キョドンド)西南端まで、北側では開城市板門郡臨漢里(イムハンリ)から黄海南道沿岸郡海南里(ヘナムリ)までの70キロメートルの区間だ。

 軍と海運当局関係者や水路調査専門家など、南北それぞれ10人で構成された共同調査団は、年末までに全体海域を3つの区域に分けて調査する。南側の調査船舶6隻が投入される今回の調査では、船舶に搭載された音響装備を利用し、水中海底まで深さを測定して、船舶が安全に運航できる水深を調査する。

 調査が完了すれば、南北は民間船舶の自由な航行を保障できるよう航行情報(海図)を提供する予定だ。漢江と臨津江河口は骨材採取や観光・休養、生態保全など、多目的事業の並行推進が可能な水域と評価され、共同利用による多様な効果が期待される。

 これに先立ち、南北は2007年10月の平壌首脳会談当時も、漢江河口の共同利用に合意し、骨材採取事業などを推進することで合意したが、その後の南北関係の冷え込みと共にうやむやになった。海水部の関係者は「漢江河口は停戦協定によって南北の民間船舶の自由な航行を認めているが、これまで『敏感水域』として管理され、民間船舶の自由航行自体が制限されたため、水路測量などの基礎調査や海図制作など航行情報を体系的に構築できなかった」と説明した。

 漢江河口の生態・水路調査や民間船舶の自由航行などを推進してきた京畿道金浦市(キンポシ)は最近、南北の漢江河口の共同調査開始を機に、南北接境地域間の交流協力事業を本格的に進めることにした。チョン・ハヨン金浦市長は「漢江南北に『祖江里』の入り江を共有している北朝鮮の開豊郡(ケプングン)と金浦市が姉妹関係を結び、協力事業を推進することにした。北側の祖江里と南側の祖江里の両側に『祖江統一経済特区』を造成し、南北の祖江里を結ぶ『祖江平和大橋』を建設することが主な事業」だと明らかにした。

 江原道議会と京畿道議会は同日午後、京畿道坡州市都羅山駅で、地方議会のレベルで南北交流協力と非武装地帯の共同開発の先頭に立つという趣旨で、「平和業務協約」を締結した。これらの議会は今回の協約を機に、地方政府間の南北交流事業の主導権争いによる対立を予防し、接境地域の懸案を共同で考えて解決することに協力することで合意した。済州道では、南北交流事業を北朝鮮側に建議した。済州道議会のカン・チョルナム議員とムン・ジョンテ議員は3~4日に金剛山ホテルで行われた「板門店宣言と9月平壌共同宣言履行のための南北民族和解協議会(民和協)連帯および再会大会」に参加し、南北交流の活性化に向けた提案を盛り込んだ済州道議会の手紙を北側代表団に手渡したと、5日に発表した。

 大学も平和に向けて動き出している。江原大学は国内大学では初めて一般大学院に「平和学科」を新設し、2019学年度1学期から修士・博士課程を運営することにした。平和学科は「協力」と「平和」を21世紀の文明が要請する最も重要な課題と認識し、文明のパラダイムを「戦争の文明」から「平和の文明」へと転換することを目的とする学問だと、江原大学は説明した。

パク・キョンマン、イ・ジョンハ、パク・スヒョク、ホ・ホジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/868951.html韓国語原文入力:2018-11-05 20:36
訳H.J

関連記事