最高裁判所(大法院)が良心的兵役拒否者に1年6カ月の懲役刑を確定した。今年に入ってから目立って増えている下級審裁判所の無罪判決にもかかわらず、最高裁は依然として「良心的兵役拒否は正当な兵役拒否の事由ではない」として、「国連自由権規約委員会の勧告案も法律的な拘束力がない」という判例を固守した。
最高裁2部(主審チョ・ヒデ大法官)は招集通知書を受けたにもかかわらず入隊しなかった容疑(兵役法違反)で起訴されたS氏(22)に、懲役1年6カ月を言い渡した原審を確定したと、25日に明らかにした。裁判所は「良心に従った兵役拒否が兵役法第88条第1項で処罰の例外事由で定めた正当な事由に該当せず、これを処罰するのは憲法第第19条の良心の自由に反するものでもない」と明らかにした。裁判所は最近、無罪を言い渡した下級審が主な根拠に挙げた国際人権規範についても、「韓国が加入した『市民的及び政治的権利に関する国際規約』(自由権規約)第18条の規定から、良心による兵役拒否者が兵役法条項の適用を免除してもらえる権利を見いだせず、自由権規約委員会が勧告案を提示したとても、それが法的拘束力を持つわけではない」という従来の見解を維持した。
これに先立ち、S氏は昨年6月の1審で「エホバの証人宗派の敬虔な信者として極端的非暴力主義を固守している人に、軍隊への入隊を刑罰として強制するのは、良心の自由の本質を侵害する」として、無罪を言い渡された。しかし、2審と最高裁は判例通り良心的兵役拒否を認めなかった。
これで今年に入って下級審では15件の良心的兵役拒否の無罪判決が言い渡された反面、最高裁では14番目の有罪確定判決が出た。S氏を弁護したオ・ドゥジン弁護士は「現在1審から最高裁判所まで過去より多い550人の刑事裁判が係留されている」としたうえで、「国連人権理事会理事国である韓国も良心的兵役拒否者の即時釈放と難民認定を勧告した人権理事会決議を一日も早く尊重することを望む」と話した。