韓国の財界団体である全国経済人連合会(全経連)が、国内総生産(GDP)の4大構成要因である消費、投資、政府支出、純輸出で10項目の危機兆候が現れていて、韓国経済が日本の長期不況の入り口にあった時期と似ているという報告書を出した。
全経連は23日、韓国経済が2011年以来4年連続で年間2~3%台の低成長に留まっていることと関連して、「韓国経済3%成長は危機の兆候」という報告書を出し、消費に現れる危機兆候としては、所得の増加にもかかわらず消費性向が下落している点、高所得層(所得上位10%)と高齢層(60歳以上)の同時消費萎縮などの三点を挙げた。家計所得は2011~2014年の間の年平均4.4%増加したが、消費性向(可処分所得に占める消費支出の比率)は同じ期間に年平均で1.3%下がった。 また、総消費の3分の1を占める高所得層は、年平均消費増加率が2004~2008年の4.9%から、2010~2014年には3.1%に低下し、全体の消費増加率の下落幅(1%)を上回った。 高齢層も年平均所得増加率が2004~2008年の3.7%から2010~2014年には5.2%に高まったが、高齢化以後の将来への不安のために消費性向は78.9%から72.2%に下落した。
投資については、総投資(総固定資本形成)増加率の鈍化、生産能力拡充より現状維持用投資の増加、研究開発投資の一部業種への集中などの三点が挙げられた。 総固定資産形成の国内総生産にしめる割合は、1996年に43.5%で頂点を打った後、2004年33.3%、2014年28.9%と下り坂だ。 投資の性格も新製品生産、設備拡張などの生産能力拡充は2010年の78.4%から2015年には71.3%(推定値)へ7.1%低くなったが、現状維持性格のメンテナンスは11.2%から14.9%に3.7%高まった。 研究開発投資の国内総生産に占める割合は2013年には4.15%で韓国が世界1位だったが、半導体・自動車・電子の3産業に66.9%が集中している。
政府支出については、国家・公共負債の爆発的増加、財政収支の持続的悪化を挙げた。 特に国家債務は外国為替危機当時である1997年の60.3兆ウォンから2014年には527兆ウォンへ、17年間で9倍近く増えた。 純輸出では、主力輸出産業の高齢化、輸出採算性の下落が挙げられた。 10大輸出品目が順位内に入ってからの期間が平均で22年に達する反面、順位進入期間が10年未満の新品目は平面ディスプレイ、電子応用機器など2種に終わるほど新たな主力輸出産業の発掘が遅れている。 全経連のソン・ウォングン経済本部長は「経済の全部門にわたり赤信号が点いている姿が、日本が不況に入る20年前とよく似ている」と話した。