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‘希望もなく、絶望もない’日本 不況が産んだ‘サトリ世代’

登録:2013-03-19 07:48 修正:2013-03-19 15:24
‘不況現実’認める世代 指す言葉
現実を認め合理的適応するが
昇進すら敬遠する消極的指向

 東京に住む一人の男子大学生(26)は日本の三重県南西側にはまだ旅行に行ったことがない。 外国に行ってみたこともなく、パスポートも作っていない。 運転免許もない。 将来大きな仕事をしようとも考えはしない。 ただ自身の水準に合わせてくらせればそれで良いと考える。

"サトリ世代ですか? 話を聞いて見ると、私もそれみたいですね。"

 この学生は<朝日新聞>記者の指摘に頷いた。 サトリは‘悟り’、‘得度’という意味の日本語だ。 サトリ世代は現実を冷静に認め、それに適応する世代という意のこの頃の日本の若者たちを指す新造語だ。 年齢帯が重なる‘ユトリ(余裕)世代’と最初の一文字だけが違う。

 ユトリ世代(概略1987~1996年生まれ)は2003年から始まったいわゆる‘ユトリ’教育を受けた世代だ。 創意性を生かすとして学校で学習量を大幅に減らした時代であった。 1980年代中盤以後に生まれた、現在の10代と20代半ばがこれに属する。 日本ではユトリ世代と言えば、‘学力低下’が顕著な世代の意味になる。 ユトリ教育は2010年に終わった。

 サトリ世代は自ら勉強を更にして自身の将来を現実的に計画する賢い人々の集団だ。 この造語は2010年インターネット掲示板で前<日本経済新聞>記者である山岡拓の著書<欲しがらない若者たち>に関して意見を交わしている間にあるネチズンが‘サトリ世代’という名付けたことに由来する。

 <朝日新聞>が挙げたサトリ世代の特徴はこうだ。 "自動車や名品ブランドに興味がない。 必要以上に金を儲けようとしない。 パチンコのような賭博に金を使わない。 外国旅行に強い興味を感じない。 生まれ育ったところに残ることを願う。 恋愛に消極的だ。 過程より結果を重視する。 主にインターネットで情報を得るが、読書もとても好きだ。"

 サトリ世代は長期不況で若者たちに良い働き口が回らなくなり、夢や目標を持っても良い結果を期待するのが難しい時代の産物だと社会学者 古市憲寿は説明する。 彼は「(人は)金がなければ合理的になって当然だ。 消極的に行動するほかはない世代」と話した。

 労働現場では‘責任者に昇進すれば難しいことが多くなるだけ’として、昇進さえ敬遠するサトリ世代に対して「覇気がない」という指摘も出ている。 企業は浪費しようと思わないこれら世代の消極的な消費パターンを強い憂慮をもって眺めていると<朝日新聞>は伝えた。

東京/チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/578601.html 韓国語原文入力:2013/03/18 20:32修正:2013.03.18 22:30
訳J.S(1240字)

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