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南北12~13日ソウルで’南北当局会談’合意

登録:2013-06-10 09:07 修正:2013-06-10 11:03
軍事分界線を越えた北代表団 キム・ソンヘ祖国平和統一委員会書記局部長(中)など北韓代表団が9日午前、南北長官級会談実務接触のために京畿道(キョンギド)坡州市(パジュシ)鎮西面(チンソミョン)の板門店(パンムンジョム)軍事境界線を越えてわが方の平和の家へ向かっている。 南北はこの日の実務接触で12日に予定された長官級会談の議題と代表団規模、日程などに対する議論を進めた。 統一部提供

南北両側は '南北当局会談' を12日から1泊2日の日程でソウルで開催することに合意した。

 南北両側は10日未明、板門店(パンムンジョム)で終わった長官級会談開催のための実務接触で、会談の公式名称を'南北当局会談'と呼ぶことにし、北側代表団は京義(キョンウィ)線陸路を通じて訪問することにしたと発表した。 しかし両側は日をまたいで未明まで1回の全体会議と8回の首席代表接触を持っても議題と会談首席代表レベルに関連して最終合意に至れず、この部分(3項と4項)に対してそれぞれ別の内容の発表文を発表した。

 議題と関連して、南側は "会談で開城(ケソン)工業団地正常化問題、金剛山(クムガンサン)観光再開問題、離散家族対面をはじめとする人道主義問題など当面緊急に解決しなければならない問題を協議することにした" と発表した。 しかし北側発表文は開城工業団地正常化、金剛山観光再開、離散家族対面問題の他に "6・15および7・4発表日共同記念問題、民間往来と接触、協力事業推進問題など南北関係で当面緊急な問題を協議することにした" と明示して南側発表文と差異を見せた。

 統一部当局者は 「北側の主張のように議題をいちいち数え上げて制限するよりは包括的に表現することが適切と見た」として「南北両側が議題に対する異見を狭められず協議結果を発表文形式でそれぞれ発表することになった」と説明した。

 また別の争点である代表団の構成と関連しても、南側は "会談代表団はそれぞれ5人の代表で構成することに合意し、南側首席代表は南北問題を責任をもって協議・解決できる当局者とすることにした" と発表した。 しかし北側発表文は会談代表団5人構成は南側発表文と同じだが、首席代表については "北側団長は上級当局者とすることにした" と相対的に曖昧な表現を使った。

 南北両側はその他にも追加的な実務問題を板門店連絡官を通じて協議することにするなど、残る期間にも首席代表などに関連した問題は継続協議がなされる展望だ。

 南北両側は今回の実務接触で1回の全体会議と8回の首席代表接触の末に発表文に合意した後、10日未明に終結全体会議をもって合意内容を発表した。 この日の会議は予定より少し遅れた午前10時13分から始まり11時まで全体会議を通じて議題など議論課題について互いの立場を交換した。 韓国首席代表であるチョン・ヘソン統一部政策室長は全体会議の冒頭発言で 「実質的に懸案を扱わなければならない席であるので、すぐに協議に入るのが良さそうだ」と提案し、歓談など儀礼的手続きを省略することを提案し、北側代表団もこれに呼応したと統一部は伝えた。 この日の実務接触は記者たちの現場取材を許容せず非公開で進行された。

この日の実務接触は過去の会談慣例に従い順調に始まったが、午後に入ってキム・ヤンゴン朝鮮労働党統一戦線部長の長官級会談出席と6・15記念行事の南北共同開催を巡って両側の異見が狭まらず、会談開始15時間が過ぎた10日午前2時にも7次首席代表会議に入るなど終盤の調整を繰り返した。 また、南北共に随時ソウルと平壌(ピョンヤン)にそれぞれ報告して指示を受けるために会議も計8回に及んだ。

 会談の首席代表と関連して、南側は、キム・ヤンゴン統一戦線部長を直接名指しはしなかったものの、南北懸案を包括的に議論するには統一部長官の相手に統一戦線部部長が出てこなければならないという立場を間接的に伝達したと伝えられた。 また、北韓側会談代表団の移動経路も既存の航空便の代わりに陸路を提案したという。

 しかし北韓は過去21回にわたる長官級会談に統一戦線部長ではなく内閣責任参事などが団長として出てきたという理由を挙げて事実上難色を示したと伝えられた。 これに伴い、会談代表団の規模と首席代表のレベルに関する内容が含まれる発表文第4項は南北がそれぞれ別の内容を発表することで最終結論となった。 この過程で北韓側に余地を与えるという次元で、会談の名称も当初の '南北長官級会談' から '南北当局会談' に修正された。 しかし北韓が発表文で '上級当局者' と明らかにした点から推し量ってみる時、キム・ヤンゴン統一戦線部長が今回の会談に出てくる可能性は高くなく見える。

 また別の争点は6・15共同宣言記念行事問題などを明確に議題に含めるかという問題であった。 南側は開城工業団地正常化問題、金剛山観光再開問題、離散家族対面をはじめとする人道主義問題を本会談で議論する議題として提示した。 反面、北側は去る6月6日付け祖平統スポークスマン特別談話文の立場を守った。 北側は開城工業団地、金剛山離散家族対面に対しては異見がなかったが、'6.15および7.4発表日共同記念問題' と '民間往来と接触'、'協力事業推進問題' を明示すべきだと主張した。 結局、異見を狭めることが出来なかった南北両側は、会談議題に関する発表文第3項もそれぞれ異なる内容を発表することで合意した。

今回の実務会談を結果から見れば、南側政府はまず今回の当局会談で開城工業団地. 金剛山離散家族問題に集中するという立場である一方、北側は6・15共同宣言と7・4共同声明記念問題と5・24措置解除問題と関連のある民間来往 接触および協力事業推進問題も重要性をもって議論するという意志を表明したと解釈される。 これは12日の南北当局会談で両側が協議過程で相当な陣痛を予告する。 したがって朴槿恵(パク・クネ)政府スタート後、初めて開かれることになる12日の高位級南北当局会談で開城工業団地正常化をはじめとする南北間懸案打開の突破口が用意されるかどうかは、実際の南北当局会談の結果を見守らなければならないものと見られる。

 この日の実務接触は2011年2月軍事実務会談以後2年4ヶ月ぶりの南北会談だった。 板門店で南北会談が開かれたのは2000年4月の首脳会談準備接触以後13年2ヶ月ぶりのことだ。

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<実務接触発表文全文>

南と北は2013年6月9日から10日まで板門店で南北当局間実務接触を進行した。

1. 南北当局間の会談を2013年6月12日から13日までソウルで開催することに合意した。

2. 会談名称は南北当局会談とすることに合意した。

3. 会談では開城工業団地正常化問題、金剛山観光再開問題、離散家族対面をはじめとする人道主義問題など当面緊急に解決しなければならない問題を協議することにした。

4. 会談代表団はそれぞれ5人の代表で構成することに合意し、南側首席代表は南北問題を責任をもって協議・解決できる当局者とすることにした。

5. 北側代表団の往来経路は京義線陸路で行うことに合意した。

6. 追加的な実務的問題は板門店連絡官を通じて協議することに合意した。

2013年6月10日 板門店

※第3項および第4項は南北が互いに異なる内容でそれぞれが発表

<北側発表文中3,4項>

3. 会談では開城工業地区正常化問題、金剛山観光再開問題、離散家族、親戚対面をはじめとする人道主義問題、6・15および7・4発表日共同記念問題、民間来往と接触、協力事業推進問題など南北関係で当面緊急な問題を協議することにした。

4. 会談代表団はそれぞれ5人の代表で構成し、北側団長は上級当局者とすることにした。

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