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リーダーなき‘ウォール街占領’…デモ主体は‘私たち皆’

原文入力:2011/10/05 22:32(2993字)
クォン・テホ記者


[現場] リバティープラザ ワーキンググループ メンバーらインタビュー


‘ウォールストリートを占領せよ’というデモ隊を率いる明確な指導者はいないが、このデモ隊を世話し、支える緩い組織とその組織の中で活動する若者たちは少なくない。4日(現地時間)これらワーキンググループ メンバーが伝える‘ウォールストリートを占領せよ’の声を聞いてみた。

←ロニ ヌネジュ(24)

大学を卒業して、ニューヨークで補助教師として仕事をしている。非正規職だ。“ニュースを見て共感して来た”という彼は、3日 リバティープラザに合流し外部の人々の寄付を促す業務を受け持っている。

彼は‘ウォールストリート デモ’を‘抵抗’(Protest)ではなく‘運動’(Movement)という観点で見ようとした。彼は「最上位 1%、金融資本家だけが莫大な利益と利権を享受している、ウォールストリート方式を人々が今までは何の考えもなしにあるがまま受け入れてきたが、これ以上はそれを容認せずに拒否したいという気持ちがトレンド化されれば、結局はウォールストリートも変わるのではないか」と話した。彼は‘どのように変わらなければならないか’という問いに「アメリカンドリームが可能だった以前に戻ることが必要だと考える」と答えた。

彼はこのデモが‘階級闘争’の性格を持っているかとの問いには、それを否認した。「多様な種類のすべての人々を代表している」として「貧民運動でも、中産層運動でもない。いかなる特定階層のための運動でもない、あらゆる階層のあらゆる人々を代表する。文字どおり99%のための運動」と強調した。

‘いつまでこの運動が持続するか’という問いに、彼は「寄付が続く限り、私たちの情熱が冷めない限り」と答えた。


←モニカ ロペズ(24)


彼女は米国人ではない、スペイン人だ。この前までマドリードの激烈なデモ現場にいたがオンラインで‘ウォールストリートを占領せよ’というデモが開かれるという便りを見て先月15日に飛行機で米国、ニューヨークにやってきた。彼女は「青年失業暴動が起きたスペインの経験を土台に‘ウォールストリート デモ’を応援したくてきた」と語した。 デモ初日から今まで3週間こちらに留まっている。‘ウォールストリート デモ’の国際連帯性を示す。


メディア グループで仕事をし、国内外の記者たちに現状況を説明することを主にしている。彼女は自身のアイデンティティを‘ジャーナリスト’(言論人)と規定したが、職業はジャーナリストではない。無職だ。(米国の青年失業率は17.3%、スペインの青年失業率は45.7%だ)


彼女は「1%が富をみな持っていることが問題」として「私たち(残り99%)に力があるということを見せ変化を導きたい。やられてばかりはいないことを1%どもに見せてやりたい」と話した。


‘ウォールストリートは変わらないだろう’と言って、「今その場は変わらないだろうが、さらに多くの人が意志と行動を共にするならば、いつかは変わるだろう」としつつ「だから私はこのデモを革命だと考える」と話した。


←エリック ギブス(39)


フリーランサーのグラフィックデザイナーだ。しかし仕事がほとんどなく二ヶ月前からは夜間業者でバーテンダーとして週に二回仕事をしている。先月17日‘ウォールストリート デモ’初日のニュースを聞いてすぐに翌日から参加した。メディア グループで‘ウォールストリートを占領せよ’ホームページなどのコンピュータ グラフィックを担当している。‘年齢に比べて若く見える’と言うと、「結婚していないからだ」として笑った。


彼は‘ウォールストリートを占領せよ’という組織にリーダーがいないということに相当な誇りまで感じているようだった。‘一番最初にこの運動を提案した人は誰だったか’という問いにも「誰も分からない。関心もない。提案は‘誰’ではなく‘私たち皆’がした」と話した。彼は「リーダーはすなわち権力を意味する。私たちは権力を望まない」として「ここには無政府主義者、社会主義者など皆が入り混じっている。各自別の考えを持った人を共通の方向に導いて行くことはできない。リーダーがいれば、この運動は死ぬかも知れない。 しかし腐敗と政経癒着に反対する気持ちはみな全く同じだ。‘違い’ではなく そういう‘同じ’を探して少しずつ進む」と言った。


‘今後の計画’を度々尋ねても「ここにいる誰もこの運動がどうなるか誰も分からない。私たちは明日より今日に焦点を合わせるだけ」と話した。


‘いつまでこちらに留まるのか’という問いに、彼は「当初 運動を始める時、‘二ヶ月だけ持ちこたえよう’と考えた。その程度になれば、私たちの意志と考えを世の中に知らせることができるだろうと見た。ところが3週間ですでに世の中がこの運動を皆知ることになった。変化が来ているのではないか」と反問した。


‘ウォールストリート デモ隊が主張する金持ち増税、ウォールストリート批判などが共和党よりは民主党側に近く、この運動が来年の大統領選挙に民主党を支持する効果を持たらすのではないか’という問いに、彼は「ノー」と断固として言った。「共和党も民主党も支持しないだけでなく、私たちはもう一つのティーパーティーになることを望まない」としつつ。


←トーマス プルレサス(27)


フロリダ州デンバーから来た。ファミリーレストラン チェーン店の台所で料理人として働いていた。料理人になって7年になるが、まだ時間当り11ドルを受けとっていた。それさえも2ヶ月前に解雇された。こちらで彼は台所チームで仕事をしている。リバティープラザ近隣にあるデモ隊の一員のアパートまたはリバティープラザ現場でデモ隊が食べるための料理をしたり、寄付を受けた食品を分け、皿洗いもする。どのワーキンググループより台所チームが最も忙しい。台所チームは24時間交代で仕事をする。それでお腹がすいたデモ隊はいつでも台所チームにきて食べ物をとり食べることができる。彼は「初めはピザ、ポップコーンしかなかったが、今は豆料理、サラダ、健康飲料に至るまで食べ物が多様化している」として喜んだ。ホットなピザが毎日200枚以上寄付され、リンゴはとても多くて床に敷いた紙ボックス ピケットが飛んで行かないように載せる用途に使われたりもしている。


「D6(9月22日)に参加した」という彼は‘なぜはるばるニューヨークまで来たのか’という問いに「革命をやりにきた」と話した。‘冗談でしょう?’と言うと、「いや、真剣だ」として真顔になった。「本当に熱心に働いたのに、金も稼げず失業者になった。私が何を間違ったのか分からない。世の中が間違っているようだ。私ではなく世の中を変えなければなければならないと考えた」と彼は話した。


ニューヨーク/クォン・テホ特派員 ho@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/499504.html 訳J.S