原文入力:2011/09/14 20:19(1363字)
チョン・ナムグ記者
日本の研究機構 政府に報告書
電力業界推算分の2倍
実際稼動率が67%に留まった理由
揚水発電費用も含めれば火力発電よりむしろ高い
原子力は本当に安いエネルギーだろうか? この間、世界的に原子力発電所維持および拡大政策の最も大きな根拠は電力生産単価が安いということだった。しかし最近、日本の民間シンクタンクが原子力発電の単価は日本電力業界推算値の2倍に達するという新しい研究結果を日本政府に報告し、原子力発電所の経済性を巡る論難が大きくなるものと見られる。
秋元圭吾 地球環境産業技術研究機構システム研究グループ長は13日、日本内閣府原子力安全委員会に出した報告書で「原子力発電所の稼動率が60~85%の場合、原子力発電所の発電単価(2005年基準)は1Kwh当たり12.5~8.1円」と明らかにした。こういう推算結果は日本の電力業界団体である電気事業連合会が2003年に出した単価のほとんど2倍に達する。電気事業連合会は当時報告書で原子力発電所の稼動率が80%の場合、発電単価は1Kwh当たり5.3円(約74ウォン)と推算した。1Kwh当たり6.2円の天然ガス火力発電と同等で、石油火力発電の10.7円に比べれば半分に過ぎないということだった。
新たに推算した発電単価が電気事業連合会の数値より大幅に高いのは、原子力発電所の実際の稼動率が低いことが一原因に挙げられる。電気事業連合会は当初、原子力発電所の稼動率を80%と仮定したが、2010年の実際稼動率は67.3%に留まった。原子力発電所が老朽化し過去には隠されていた事故も明らかになる中で、稼動を中断する事例が頻繁になったからだ。
純粋発電単価の他に付帯費用まで考慮すれば原子力発電所の発電単価はさらに高いという分析結果も出てきた。大島堅一 立命館大学教授は2000~2007年の間、原子力発電所の純粋発電単価は1Kwh当たり7.29円だったが、開発費用として1.18円、立地費用として0.46円が更にかかったと昨年 論文で明らかにした。これにともなう原子力発電所の発電総単価は1Kwh当たり8.93円であり、火力発電の9.02円とほとんど差がないということだ。
原子力発電所は一度稼動を始めれば電力消費量が減ってもしばらくは停められない。そのために電力が余る時間には残った電気で水を吸い上げ、電力消費が多い時間にその水で発電をしている。大島教授はこの揚水発電費用まで含めれば、原子力発電所の発電総単価は1Kwh当たり10.11円で火力発電よりむしろ高いと指摘した。
その上、福島原発事故は原子力発電所の発電単価に対する新しい計算法を要求している。<朝日新聞>は「新しい推算結果でも原子力発電所は他の発電に比べて単価が安いか同等だが、今後追加しなければならない安全確保費用を考慮すれば原子力発電所の発電単価は一層高まるだろう」と見通した。
東京/チョン・ナムグ特派員 jeje@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/496119.html 訳J.S