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村上春樹 "核に対して‘ノー’と言うべきだった"

原文入力:2011/06/10 11:32(1004字)

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日本の世界的作家である村上春樹(61)は福島第1原発事態に言及しながら "唯一、核爆弾を投下された日本は核に対して‘ノー’と言うべきであった" とし日本政府の原子力発電所維持政策を強く批判した。
スペイン東北部カタルルニア自治州政府が人文科学分野で活躍した人に授けるカタルルニア賞 今年の受賞者に選ばれた春樹は9日‘非現実的な妄想家として’という題名の受賞演説でこのように話したと<共同通信>が伝えた。

 彼は 「福島第1原子力発電所事故は日本人が体験した2番目の大きな核被害だが、今回は爆弾を投下されたのではない」とし「自分たちの手で過ちを犯した」 と指摘した。

 彼は戦後日本の核に対する拒否感をわい曲したものは‘効率’を優先視した思考だったとして政府と電力会社が効率の良い発電システムの原子力発電所を国策として推進してきたと批判した。彼は 「その結果、地震国の日本は世界第3の原子力発電所大国になり原子力発電所に疑問を示す人々には非現実的な妄想家というレッテルが貼られた」としながら「しかし原子力発電所は今 無惨な状態に陥り原発推進派の‘現実’は便宜に過ぎなくなった」と指摘した。

 春樹はまた「福島事故は論理の転倒を許容してきた日本人の論理と規範の敗北でもある」とし「私たちは自ら告発しなければならない」と話した。彼は続けて「技術力を結集し社会資本を注ぎ込み原子力発電所の代りに有効なエネルギー開発を国家次元で追求するべきであった」とし「それが広島と長崎の犠牲者に対する集合的な責任を負う方式だった」と付け加えた。

 彼は「損傷した論理と規範は簡単には取り返しがつかないが、それは私たち全員の任務」として「新しい倫理と規範、新しい言語を結びつけなければならない」と話した。彼はまた「夢を見ることを恐れてはならないし、効率と便宜という名前を持つ災難の手先どもに従ってはならない」と指摘し「私たちは力強い足取りで前進すべき‘非現実的な妄想家’にならなければならない」と主張した。

キム・ドヒョン先任記者/ツイッター@aip209

原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/482144.html 訳J.S