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米、今度は破産の危機…‘緊縮津波’来襲

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/472283.html

原文入力:2011-04-10午後10:41:28(1753字)
‘予算案劇的合意’連邦政府の閉鎖は避けられたが…
5月16日‘負債上限線 引き上げ’期限…共和党の同意が必要
医療保険削減など'オバマ進歩色褪せる'…庶民の反発招く公算

チョン・ウイギル記者

米国ホワイトハウスと議会の民主・共和両党が連邦政府閉鎖期限を1時間後に控えた8日夜11時頃、2011会計年度(2010.10~2011.9)予算案交渉で米国史上最大規模の385億ドル削減で劇的な合意を引き出した。だが、今度は‘破産危機’というより大きな津波に直面している。
今回の米国行政府閉鎖危機を招いた根本原因は天文学的に増える米連邦の負債だ。現在の負債額は上限線(14兆2940億ドル)までわずか数百億ドル差だ。期限である5月16日までに上限線引き上げができない場合、政府の国債発行が不可能になり、7月8日には政府負債に対する破産を公式宣言しなければならない。

共和党側は負債上限線引き上げの条件として予算支出政策に対する大々的な転換を要求している。医療保険恩恵削減と環境規制緩和、堕胎不許可の強化などが核心事項だ。すでに共和党側は終盤で妥結した予算支出削減案を1週間代替する臨時予算案に堕胎不許可強化条項を入れ民主党側の激烈な反対を買った。

両党のこういう見解の違いは政府負債上限線の引き上げを巡るより大きな葛藤と対立を予告している。JPモルガン・チェースの最高経営者ジェイミー ダイモンは政府が破産する場合、会社の事業を保護するための非常計画案を用意したとし「誰であれ災難的で予測不可能なその(政府破産)ボタンを押すことを仮に願うというならば、彼らは気違い」と非難した。

さらに大きな問題はその根源である連邦負債の削減方法だ。共和党側はすでに今後10年間に4兆ドルを公共医療保険であるメディケア(老齢層医療保障)とメディケイド(低所得層医療保障)予算などから大幅削減する計画で立案した2012年予算案を提出している。

支出削減を主導する共和党内のティーパーティー系列議員らは強硬姿勢だ。ティーパーティーの助けで当選した初当選議員ミック モルベニーは「私たちはこの負債上限と関連した真の構造的、文化的変化を見ることを願う」として「私たちが賛同できる競技規則の変化がなければならない」と話した。<ニューヨーク タイムズ>は数十億ドルを巡り行政府閉鎖の危機を招いた今回の事態を想起させ「民主党と共和党が数年間にわたる数兆ドルについて数週や数ヶ月でどうして合意できようか」と疑問を提起した。

たとえ合意がなされても、その負担は結局 庶民と中産層の持分になるという点で米国社会底辺の葛藤と不安が拡大する可能性が高い。天文学的な国家負債の大部分はジョージ ブッシュ政府時期の高所得層減税とイラク戦などの支出増加、そして金融危機収拾のための巨大ウォール街銀行支援などから生じたわけだが、今度はその‘清掃’を庶民と中産層が一手に引き受けることになったのだ。すでに今年の予算案削減で公共医療部門での根本的な再調整が避けられなくなり、オバマ行政府の進歩政治退色も俎上に上がった。<ニューヨーク タイムズ>は「オバマ大統領は交渉で超党派的調停者の役割に一層忠実だった」として「昨年の総選挙敗北以後、彼が(進歩から)中道へ戦略を修正していることを示している」と評価した。

オバマ大統領は今回の予算案合意に対し「大幅な予算削減は苦痛だが、財政赤字縮小のために必要な措置」として歓迎の意向を明らかにした。今回の交渉を通じてオバマ大統領は直接乗り出し超党派的協力を引き出し、政府の閉鎖を防ぎ、共和党所属のジョン ペイノ国会議長は予算削減を勝ち取ったという点で両者ともに政治的利益を得たと言える。ジョン ティコスン政治専門アナリストは史上最大規模の予算削減に注目し<CBS>放送で「ペイノ議長と共和党が真の勝者」と主張した。

チョン・ウイギル記者 Egil@hani.co.kr

原文: 訳J.S