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アラブ王政国家も‘パンより民主化’

原文入力:2011-02-28午後07:38:06(1293字)
サウジ・ヨルダン・オマーン ばらまき宥和策 受け入れず
流血デモ 拡散…バーレーンでは "国王 退け"

チョ・ギウォン記者

リビアでムアマル・カダフィ政権と反政府勢力が予断を許さないトリポリ攻防戦を行っている中で、アラブの民主化気勢が本格的に中東の王政国家まで広がっている。当初、部分的改革要求から出発したこれらの国のデモはチュニジア・エジプト革命とリビア政権崩壊危機の影響を受けて全面的な体制改革要求に拡大している。

カブース・ビン・サイード国王が41年間にわたり執権中である専制王国オマーンでは27日(現地時間)初めて流血事態が起きた。 北部の港町ソハールで少なくとも2000人の反政府デモ隊がデモを行い、警察がデモ隊にゴム銃弾を発射し最低6人が亡くなったと<ロイター>通信が伝えた。カブース国王は流血事態以後、直ちに5万人就業と失業者に1ヶ月389ドルの支給を約束する宥和策を出した。だが、デモ隊は議員直接選挙および それを通じた内閣構成などの政治改革を要求している。

スンニ派王政に対し多数派であるシーア派国民が差別撤廃を要求して始まったバーレーンのデモは、スンニ派王政廃止ムードまで出てきている。首都マナマの真珠広場でデモ隊数千名は 「ハマドゥ国王は退け」というスローガンを叫んでいると<AFP>通信は伝えた。バーレーンではこの2週間に少なくとも7人が亡くなった。

部分的改革措置だけでは国民が満足しないことはヨルダンのケースからも明らかだ。ヨルダンは憲法上は立憲君主制だが、国王が総理指名権、議会解散権など広範囲な権利を持っている。 アブドラ2世国王は今年初め デモが起きるなり去る1日にサミル リパイ総理を解任し状況の宥和を図ったが、デモ隊は首都アンマンで選挙で選んだ議員が内閣を構成し総理を指名するようにしてくれとしてデモを続けている。

民主化要求は中東で最も保守的な専制王国であるサウジアラビア王室にまで突きつけられている。サウジの知識人119人は27日、インターネットを通じ 立憲君主制の導入を要求する声明を出したと<AP>通信が伝えた。

サウジ政府は2003年と2004年、立憲君主制を要求する人々を逮捕した経緯がある。アブドラ・ビン・アブドルアジズ サウジ国王は先週360億ドルに及ぶばらまき政策に続き27日には臨時職公務員全員を正規職に切り替えるという約束までしたが、インターネットでは来る3月11日に‘怒りの日’の名前で大規模デモを行おうという運動が続いている。

これらの王朝が米国の対イラン政策の核心パートナーであり、世界原油の主要供給先という点でこれらの国々での急変状況は米国の対中東政策はもちろん国際経済全般にも大きな影響を及ぼす展望だ。

チョ・ギウォン記者 garden@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/465775.html 訳J.S